「雪原満」1

ツリーのすぐそば、「これ欲しいなぁ」って考えてそうな水色野郎がすぐ近くにいる事を知った俺。
何だ、主人はいねぇのか?辺りを見回してもそれらしき人物がまるでいない。まぁいいか。俺には関係ねぇよな。待ってるだけ・・・だよな。

「やべっ、もうこんな時間。早くしねぇと。」
と、こんなのは勿論演技。これでこの状況から抜け出せ―――

『何してんの?バレバレだよ?』

・・・生意気な奴め。
「ん?いや、お前に構ってる暇は―」
『まぁそうだろうなぁ。僕みたいな単身チャオに構ってる暇無いよね。最近の子供と言ったら・・・。』
何だこいつ、一旦蹴り飛ばしてやろうか。

「じゃあ・・・俺に何して欲しいっつーんだ?」
『・・・何も?』
そら見ろ。
「あっそ。じゃ、俺は帰ると―」
『じゃあねー。』
何だコイツ、マジメな話打っ飛ばしてぇ。っと、ここは抑えて・・・。

「だからお前に構ってる暇は無い。じゃあな。」
『うん、世話かけたね。』
何かまだムカつくが、ひとまずこのクソガキからようやく離れられる。









あーあ、帰って来た。まず最初に部屋に寝転がる。これから何をするか。
あ、そうだ。確か来週に何かしら掲示板でイベントあったっけ。えーっと・・・あ、P○Uだ。
そんな事適当に考えながらパソコンの電源を付けて・・・。






























『何この家。殺風景な上に汚い。ちゃんと掃除してる?』
・・・あぁ、テレビで芸能関係の番組やってんだろ。無視無視・・・。
『おい、聞いてるのかそこのパソコンやってる少年。』

・・・これ以上自分を誤魔化しても無駄なようだ。
「―何でお前は人の家に勝手にあがってるんだよ。」
『おや、家に来いってムード漂ってたんだけどね。違った?』
俺が漂わせていたのは「とっとと消えろこのクソ野郎」というムードだ、何勘違いしてんだ。
「いいから出てけ。」
『えー、酷いなぁ。純粋な生き物に向かって出てけとは。』
どこが純粋だ、まるで子悪魔だなコイツ。









「で、何のようだ結局。」
無駄に10分言い争って、ようやく本題に入れた。何故こんなに時間がかかったのだろうか。コイツのせいだよな、うん。
『居候だよ、君1人暮らしだろう?その内家族が出来て大変になるんだから、今の内に勉強でもしてみないか?』
まるっきり本音じゃない。どっからどう見ても嘘だ。
「残念だが、結婚なんてしない。」
『あー、ダメだよそんな事は。最近少子化が進み始めてるんだからさ、結婚しなさい。何なら紹介でもしてあげようか?』
「結構だ、とっとと用件を話せ。」
『だから居候。』
「却下だ。」
『僕が嫌い?』
「失礼な奴は置かない。」
『僕は物じゃない、者だ。』
「去れ、曲者。」
『させるか、糞者。』
「とりあえず、理由を話せ。」
『そんな事聞くって事はやっぱり僕が嫌いだね?』
「とっとと話せ。」
『「田舎に泊まっチャオ」の者です。』
「だから去れ、曲者。」
『曲者じゃない、タレントだ。』
「黙れ詐欺師。」
『騙してない。』
「騙してる、いいから理由。」
『理由なんてないさ。』
「嘘付くな。」
『理論的な証拠を見せてから嘘を見抜け。』
「お前も理由が無いという証拠を見せろ。」
『「隣の木の実」です。』
「そう言う押しかけ番組は嫌いだ。」
『協力の証として居候させてください。』
「だから却下だ。」
『我々は警察の者d』
「いい加減去れ。」
『やだ、とりあえず居候させろ。』

・・・・・・・・・・ダメだ、キリが無い。
「―あぁ、もういいや。勝手にしろ。妙な事したら即刻追い出す。」
『君の方が妙じゃないか。』
「よし、出てけ。」
『短気だなぁ。』

こうして、バカが1匹居候する事になった。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第248号
ページ番号
2 / 3
この作品について
タイトル
-A snowy present-~雪のプレゼント~
作者
冬木野(冬きゅん,カズ,ソニカズ)
初回掲載
週刊チャオ第247号
最終掲載
週刊チャオ第248号
連載期間
約8日