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そこには、一人の少年がいた。
ベットに横たわり、
ミュージックプレイヤーで、音楽を聴き鼻歌を歌っている。
名前は、裕樹。
少年は飽きたのか、 ピ と、スイッチを押し音楽を聴くのをやめた。
イヤホンから流れる極僅かなノイズを耳で聴き取り。目を瞑っている。
―まだかな。
少年はそう思った。
★
ソニック達が、コロニー衝突を阻止し、二年。
ステーションスクエアでは、人々の為に娯楽や慰安の為
"CHAO"を全面的に使った、町興しを行っていた。
ソニック達が活躍していた頃、チャオ達の研究も行われていた。
研究によって、チャオの種類が三つとなった。
ノーマルチャオ、オモチャオ、メタルチャオ
この三種である。
ノーマルチャオは、おなじみの愛敬のあるチャオ。
育て方によって、進化形態が異なり、最も人気がある。
オモチャオ、これはソニック達のサポートを目的に生産された
いわば、機械チャオである。
人工知能AIを搭載しており、会話が可能。
大量生産されており、予めソニック達が通りそうな場所に設置されていたりする、都合の良いチャオ。
仮に、破壊されても、人工知能AIが残っている限り、
パーツを集め、復活が可能。
そして、メタルチャオ。
チャオとオモチャオの性能を合成した機械チャオ。
人工知能AIが搭載されており、チャオと同じように動く。
半永久的に生き、飼い主によって成長過程が変るチャオである。
喋らず、バグが発見された場合はPCなどからの修正や
チャオサイトからの修正パッチで直せたりするので、
チャオの一段階上を行くチャオである。
だが、"チャオは機械で再現されてしまっていいのか"
という声が上がっていたり、
"機械だからこそ、神経を使わなくて良い"と、賛否両論である。
★
―裕樹、出かけるわよ。
裕樹の姉、裕子が家の一階から二回まで響く声で叫んでいた。
―今行く、待ってて。
裕樹は、心臓がバクバクしていた。呼吸がとても速かった。
何より、興奮していた。
何故なら、誕生日プレゼントという事でチャオが"飼"えるのだから。
これまで、両親に反対されていたが、姉との共有という事で
飼える事になったのだ。
チャオは、ステーションスクエアのホテル、チャオ幼稚園など
色々な所で買える。
また、その場所で飼う事も可能である。
―行こう、姉さん。
そう言って、少年はドアを開けた。