a boy in the dust

結露した道を通るといつも 変わりもせずに濡れる僕を
誰も見ないよう路地の裏側 汚い人の足音が
水色の天使 涙のように しかも笑顔で近づいてくる
分からないよ 分からないよ
見た目が正しいのか その顔が正しいのか

笑いながら立ち去る人と 「もう少しだけそばにいさせて」
寄り添いながら泣きながらそう 抱いているのは彼かそれとも…
誰の両手も詰まっている 見えない透明な美しい『モノ』
分からないよ 分からないよ
偶然の悲劇か それが当然なのか

茶色いビルが右左から僕の身体を覗いて笑う
汚されそうで でも慣れそうで
どちらが怖い? 分かりもしない

ただ誰かの頭
撫でるだけじゃ分からない
愛があることを信じて
今日も生きてみるんだろう
ダストの中で背伸びして手を伸ばす

どこいきゃあるの? 幸せの骸
かすかに暖かい コンクリートの壁
埋められたのか? 
沈められたのか?
誰も知らない 誰もが持っている

ある日子供が 鉄のいたずら
首を切られて 死んでしまいました
誰がわるいの?
何が消えたの?
誰も知らない 誰もが持っている

気づかないんだ この世界では
大きな爆弾 落とされてさ
もしかしたさ あなたとの道も
明日いきなり 壊されそうで…だから
早く会いたい 早く会いたい 早く会いたい 小さな街で
抱きしめていた 抱きしめていた 抱きしめていた 小さな蝋燭
爆竹のよう ボクシングのよう
激しい音で 何かが消える
僕は何かを 激しく求め たどり着くのは always in the dust

茶色いビルが右左から僕の身体を覗いて笑う
汚されそうで でも慣れそうで
どちらが怖い? 分かりもしない…

この作品について
タイトル
a boy in the dust
作者
それがし(某,緑茶オ,りょーちゃ)
初回掲載
週刊チャオ第299号