第一話
プロローグ
{チャグ}「 死ぬのは嫌だ・・・。
死にたくない・・・。
死んだらどこへ行くんだろう・・・。
真っ暗な世界?
皆ともお喋り出来なくなるの?
考える事さえも出来なくなるの?
そんなのは嫌だ・・・!
死ぬのは嫌だ・・・!
嫌だ・・・!
嫌だ・・・!
イヤダ・・・!」
{???} 「ならば我が救うてしんぜよう」
{チャグ} 「本当に?」
{???} 「無論、本当だ・・・」
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今、チャオガーデンはクリスマスの真っ最中。
皆プレゼントをもらったりあげたりで幸せそうにしてます。
チャールというチャオは仲良しのルチャというチャオと一緒に雪合戦をしている。
{チャール}「え~い、特大玉だ~!」
{ルチャ} 「うわっ!?てめえ覚悟しろ~!」
このように今日も平和な日で終わるはずだった。
{チャール}「おや?どうしたの君、遊ばないの?そうだ!名前教えてよ!」
チャールはガーデンの端っこにいた小さなチャオに向かって言った。
{チャグ} 「・・・僕はチャグ・・・」
{チャール}「チャグ君か~。一緒に遊ぼうよ!」
{チャグ} 「・・・死にたくない」
{チャール}「え?」
{チャグ} 「死にたくないぃぃぃ!!!」
{チャール}「え?え?う、うわぁ!?」
突然チャグが繭になった。
{チャール}「ビックリした~。何だ~進化か~」
{ルチャ} 「どうした?チャール」
{チャール}「いや、何でもないよ。ただこのチャオが進化しただけ・・・あれ!?」
もう一度見たときにはもう繭は無かった。
{チャール}「繭が無い!」
{ルチャ} 「またてめえの勘違いじゃねぇの?」
{チャール}「違うよ!チャグって子がここに居て・・・」
{ルチャ} 「へいへい」
ルチャは相手にしてくれなかった。
ルチャがあきれてガーデンの池の向こうのチャオレース会場に行こうとした時、事件は起きた。
{チャール}「ちょっと待って!あれ・・・何?」
{ルチャ} 「あれって・・・うわ!?なんじゃありゃぁ!」
チャールが指差す方向、そこには見た事も無い空を飛ぶ生物が居た。
他のチャオも驚いている。
その生物の姿は、例えるならカクカクしているコウモリだ。
大きさは・・・
{ルチャ} 「かなりでけえぞ!」
だそうだ。
{チャール}「あれ?真ん中にあるのって・・・チャオ・・・チャグ君!?」
その通りで、それはチャグだった。
しかし姿は変わり果てている。
その機械のコウモリの羽の様な物体に半分融合している形でそこに居る。
{チャグ} 「そうだよ・・・時間なんて無ければ死なないんだ・・・
時間なんて・・・時間なんて!!!」
{チャール}「どうしたのチャグ君!」
{チャグ} 「黙れ!!!」
チャグが叫ぶとチャールは周りの地面ごと吹っ飛んだ。
どうやらこの変化と共に超能力のような力も使えるようになったらしい。
{チャール}「う・・・ううっ・・・」
{ルチャ} 「大丈夫かチャール!」
チャールは約二十メートルほど飛んで気絶した。
{チャグ} 「僕は時間を操れるんだ・・・僕は時間の支配者だ!
時間なんか止まればいいんだ!!!」
またチャグが叫ぶと周りのチャオは動かなくなった。
{ルチャ} 「何をしやがった!」
{チャグ} 「ふふふ・・・時を止めてやったのサ
これで皆も死ななくて感謝してるだろ?」
{ルチャ} 「ふざけんな!時なんか止まるわきゃねぇだろう!
それに止まったとしても感謝するわきゃねぇだろう!」
{チャグ} 「何故だい?何故感謝しないんだい?
・・・フン。ならこの世界を壊してもいいんだね?」
{ルチャ} 「何を訳の分からない事を・・・」
{チャグ} 「君には理解出来ないだろうね。僕がどんなに偉い事をしたか。
僕は神に与えてもらった力で皆を死の恐怖から開放したんだヨ」
{ルチャ} 「何が「髪に与えてもらった力」だ!俺達には髪なんかねぇよ!」
{チャグ} 「・・・何を言ってるのか分からないね
もういいや・・・ここの時など永遠に奪ってやるヨ。 チャオガーデンの時よ、去れ!」
チャグが呪文の様なものを唱えると、チャオガーデンにある色という色は全て灰色になってしまった。
今居る三人を除いて。
{ルチャ} 「てめぇ・・・元に戻せ!」
{チャグ} 「それは出来ない」
{ルチャ} 「何でだよ!」
{チャグ} 「もうここの時は止まった。戻す事は不可能だヨ」
{ルチャ} 「何っ・・・てめぇ!」
{チャグ} 「僕達『クロノブレイカー』のする事は全て正しいんだヨ・・・全てネ」
つづく・・・