魔法の仕様

魔法はどのように教えられるのだろうか。
学校で呪文を教わる、などという手段ではない。
そもそも呪文は必要ではないから、そのやり方で使えるようにはならない。
魔法を使えるようになる手段は現在一つしかない。
魔法の使い方、その情報を魔法によって知るしかないのだ。
言語化して説明することのできない情報が伝えられ、それによって魔法を会得する。

どのように魔法は情報を相手に伝えるのか。
それを理論的に解釈し、言語化できる者はいない。
だが、やり方はわかる。
魔法はそんな曖昧な技術として、しかし確実に存在していた。

この魔法を発明した者も、どういう原理によって成り立っているのかわからなかったのだろう。
そして今も変わらずに、そういうことができる、ということだけが伝えられる。

魔法にはそんな仕様があるため、存在を隠すことは容易である。
存在を隠せなくても、方法を知ることはまず不可能だ。
このため、今回のように一部の者にしか明かされない、隠された魔法があると噂されることは珍しいことではない。

このページについて
掲載日
2010年7月16日
ページ番号
12 / 16
この作品について
タイトル
絶望
作者
スマッシュ
初回掲載
2010年7月16日