そしてその魔法兵士の実践訓練で僕たち兵士見習いが束になって講師の先生と戦ったのだ。
僕は最後まで立っていたけれども、単純に攻撃されたのが最後なだけであった。
そんなことを思い出していた僕に声がかかる。
「おはよう」
「あ、姉さん、おはよう」
姉さんが僕を優しく見つめていた。
姉さんは姉さんである。
僕より早く生まれたから姉さん。
血縁である。
「えっと、姉さんがいるってことは」
ここは僕の家であるということだ。
「昨日、気絶したまま目覚めなかったから私が引き取りに行ったのよ」
「ああ、そうなんだ」
こういうことはよくあるのだ。
「えっと、今は?」
時計を見る。
時間はいつも起きる時間だった。
「うわお」
「体はちゃんと動く?」
「ん……」
一応体を動かしてみる。
問題はない。
「うん、何の問題もないよ」
「そう、ならよかった。じゃあ学校へ行きなさい」
「うん」
起き上がる。
朝食を食べる。
トーストとコーヒー。
軽めの朝食である。
僕の家ではこれが普通なのだ。
のんびりと食べ、飲む。
口の中へ食べ物を入れていくことで目がはっきりと覚めてくる。
「じゃあ、行ってきます」
「ええ。行ってらっしゃい」
結局、今日はチャオ育成をできなかったな、と僕は思う。
いつもは朝食の前に少しソニックアドベンチャー2バトルに触り、チャオを育てているのだ。
帰ったら存分にチャオと遊ぼう。
そう決めて僕は学校へ向かった。

このページについて
掲載日
2010年7月16日
ページ番号
5 / 16
この作品について
タイトル
絶望
作者
スマッシュ
初回掲載
2010年7月16日