最終話・後編
後編
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【総理】「ワケあり?」
【吉原】「この子・・・いじめられてるところを拾ってきた子なんです。」
必死で涙をこらえて、吉原が説明する。
すると総理、既に力尽きたシフォンを抱き上げ、
【総理】「このチャオがいなければ、私は死んでいたかも知れない。
偶然とはいえ、私の「みがわり」になってくれた。
・・・SPにもできんことを、チャオが、か・・・・・。」
総理はシフォンを吉原に渡し、秘書に何やら耳打ちした。
【秘書】「・・・!!本当ですか!?」
【総理】「ああ。あと、国会に連絡を。日程の変更をな。」
1週間後。
【キャスター】「総理暗殺未遂事件の後、与党の動物愛護法改正案がその日の総理の演説で廃案になり、
代わって野党提出の民法改正案の採決が本日行われます。
なお、全会一致で可決する見通しです。」
あれから、「総理のみがわり」として一躍有名になったシフォンと、その育て親である5人。
そして、チャオにも人権が認められる日がやってきた。
それは外村の主張通りになったのだが、彼は複雑な心境だった。
もちろん、他の4人も。
―――――シフォンはただの「尊い犠牲」だったのか。それとも―――――
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