「ユキノソラ」

僕は、雪が大好きです。
お母さんに、雪の日に生れたから、ユキカルと命名されました。
雪って、素敵です。
無限の空から降ってくる、雪。水になる雪。
そういうのが、大好きだった。

チャオガーデンには雪が積もる。
だから僕はお母さんと雪合戦や雪だるまを作りました。
お母さんは、笑顔でお手伝いしてくれました。
嬉しかったです。


僕が雪を嫌いになったのは、いつだったかな。
確か僕が1歳の時。
お母さんが病気で死んでしまいました。
僕は、何が何だか分からなくて、オンオン泣きました。
お医者さんが信用できなくなりました。
ベッドで、寝るのも忘れて泣いてました。

お母さんが死んじゃった日は、雪が降ってました。
積もってました。
みんなは綺麗とか思ってたかも知れないけど、
僕にはとても嫌な物に見えた。
雪がお母さんを殺したみたいなかんじがした。

お母さんは、遂に火葬で焼けました。
僕には、お父さんが居ません。
なので、親戚に引き取ってもらう事になりました。
凄く悲しかった。
お母さんの暖かい匂いを嗅ぎたかった。


僕は今、近くの会社で働いてます。
お母さんの事は忘れられない。
毎日家に帰ると、仏壇の前で、拝む。

だけど、これで良かったかもしれない。
お母さんのお陰で、この人生に進む事が出来た。
今の暮らし、とても満足しています。
お母さんがいたら、甘えちゃって、碌に仕事なんかしなかったかも。

有難う。お母さん。
また、雪が、大好きになったよ。
こういう人生を歩めたのも、
【雪】

【お母さん】

のお陰です!!!。

有難う。
お母さん。
楽しい思い出を有難う。


END

この作品について
タイトル
「ユキノソラ」
作者
竹(N_U2,サイコ)
初回掲載
週刊チャオ第42号