遠くの森の名の無いチャオ

あるガーデンで、チャオが生まれた。名前はまだ付けてもらっていない。
そのガーデンでは水色のチャオ。いわゆる普通のチャオがいないのだ。普通なので、珍しくない。という考えで名も無い内に捨てられてしまった。
遠くの森に来た。1匹の赤色のチャオがいる。看板に「チャオの森」と書いてある。
名の無いチャオは、「何してるんですか?」と聞いた。
すると、赤いチャオは、「・・・・・・・案内係。」と答えた。
といって、「ついてこい。」というような合図をした。
入ったとたんに、名の無いチャオは自分の父親を忘れた。思い出そうとしても思い出せない。
次に、調理所らしき場所があった。ここでは、母親を忘れた。名の無いチャオを生んだ母親さえも忘れた。
ここで赤いチャオは、「・・・・・・これ以上記憶を忘れると危険だ。このメダルをつけるんだな。」といった。
そのメダルは黄土色で、とても奇妙なものだった。
名の無いチャオは、「僕は何を忘れたというんだい?それに、そんなメダルつけたくないよ。」と言った
赤いチャオは、「やはりみな拒否するものだな。今までのやつらもそうだ。へっ、好きにするんだな。」と言った。
そして、次の場所では、ついに感情と言葉を忘れた・・・・。
赤いチャオは、「さあ、ここで好きにするんだな。木の実もあるし、遊具もあるんだからな。」
そしてその日から1年が経った。もうそのチャオは、自分の存在。動くことも忘れた。10年・・・100年・・・1000年・・・10000年。永遠に眠りつづけた・・・・・・
終わり。

この作品について
タイトル
遠くの森の名の無いチャオ
作者
リノ(チャル,チャチャ,冬楼閑)
初回掲載
週刊チャオ第33号