─説明─

─説明─


「……じゃあ、ソニックって知ってる? なんか青くて、ゲーセンとかにいるやつ」

「あーなんか知ってるー」

「ソニックのゲームに出てくるキャラクターなんだけど」

「ゲームとかあんまりしないし」

「じゃあもう一から説明するよ。 まずセガにはA-LIFEっていうのがあって……」

「は?何?」

「えーと……ゲームの中に本物の生き物がいるような?」

「なんか怖い」

「いやかわいいんだよ! 要は育成ゲーム」

「何で? ソニックなんじゃないの?」

「オマケ要素みたいな? でもすっげーよく出来ててさ」

「それが何でソニックにくっついてるの?」

「ストーリーで出てくるんだよ。 SA1のさ……あ、ソニックアドベンチャーのことなんだけど、ナックルズ族のティカルっていう女の子が」

「そういうのいいから」

「あ、そう……」

「んで?」

「へ? ああ、まーともかくソニックのステージで取ったアイテムがさ、ガーデンでも使えるんだよ」

「ガーデンって何?」

「そこで育ててるんだよ! ステージ中に小動物とかがいてさ、それをキャプチャさせるとスキルが上がるんだ」

「さっきから専門用語多いよ」

「キャプチャとは小動物などのアイテムを与えること、スキルとは各個体のハシリ・オヨギなどの身体能力パラメータのことです」

「はい」

「小動物ごとに上がりやすい能力が違ってさ、例えばウサギだとハシリ、クマだとチカラがよく上がる」

「クマって小動物じゃないよね?」

「あとフェニックスや半魚人は、すべてのスキルが上がるんだ」

「………………」

「骨犬はパーツキャンセルが……」

「もういいよ」

「すみませんでした」

「それでどうすんの」

「与えた小動物に応じて色々な姿に進化するんだ! ヒコウタイプとかノーマルタイプとか」

「ヒコウタイプは飛ぶのが得意な訳ね?」

「そうそう! 分かってきてんじゃん」

「じゃあノーマルは?」

「スタミナのアビリティが上がる」

「地味」

「………………」

「いいから続けて」

「はい。 進化パターンはめちゃくちゃ多くてさ、基本は25種類なんだけど、ソニックアドベンチャー2からはヒーロータイプとダークタイプが追加されて75種類なんだ」

「よくわかんないけどどうやったらヒーローだのダークだのになるの」

「ヒーローのキャラクターで育てるとヒーローに、ダークのキャラクターで育てるとダークになる。 ソニックで可愛がったらヒーローな」

「一概に善人と悪人を決めることってできないと思うわ」

「そうですね」

「それでどう違うの?」

「強さなんかは一緒だけど、見た目と住みやすいガーデンが違う。 あと可愛がってくれたキャラクターになつくかな」

「苛めたりできるの?」

「嫌なところが鋭いな……ソニックで苛めると逆にダークになるんだぜ」

「陰湿ね」

「んでさ、これが燃えるんだけど実は進化タイプにシークレット的なヤツがあってさ」

「男ってそう言うの好きだよね」

「カオスチャオっていって、公表された当時はものすごかったんだぜ」

「どうやったらそれになんの?」

「2回以上転生させたチャオに小動物を全部キャプチャさせてノーマルタイプに進化させるんだよ」

「また出た専門用語」

「え? どれ?」

「転生」

「あー、転生ってのはさ、たくさん可愛がってやると寿命がきても生き返るんだよ」

「それってアリなの?」

「アリなんです。 とりあえず生前ハートマークを出しまくっておけばOK」

「そう言われるとすごくがっかりするわ。 ともあれなんか可愛がったらハートが出るのね」

「そうそう。 言い忘れてたけど頭の上にポヨってのがあってさ、それが変形してハートになるんだ」

「…………は?」

「ちょっとこのへんは画像がないと面倒くさいな……要するにそれを見れば気持ちが分かるんだよ。 俺にもポヨがあればいつでも君を好きだと言えるのに」

「突然キモい」

「そこで繁殖の話なんだけど」

「最悪!」

「ここ大事だから聞いてくれ。 繁殖で生まれた子は親の特徴を引き継ぐんだ」

「オスメスはどうやって見分けるの?」

「雌雄同体です」

「あっそう……」

「繁殖期になるとそいつの周りに花が咲いて、他のやつが近づいてくるとタマゴが産まれる」

「卵生なんだ」

「生まれた子は親と同じ色をしていたりしていなかったりする」

「(色ってなんだろ……でも聞くと長いから黙っとこ)」

「遺伝は基本的にメンデルの法則に従っているんだけどピュアとベースの遺伝子は」

「細かい説明はいいから」

「ともかくものすごい数の色パターンがあるんだよ」

「どうせレアカラーとかがあって燃えるんでしょ」

「そうなんだよ! 完全白ピュアってのが」

「その話長くなる?」

「うん……」

「ていうかここまで相当長かったよね」

「はい」

「どれだけ時間費やしたと思う?」

「ざっと1回転生するくらいでしょうか」

「さっさと行こうよ、映画始まっちゃうじゃん」

「そうですね。 それでジュエルピュアってのがさ……」

「……………………」

この作品について
タイトル
─説明─
作者
ぺっく・ぴーす
初回掲載
2009年12月23日