聖誕祭
とある町の郊外。
子供がその場の勢いで作っちゃいました、みたいなボロ家(とも言えない瓦礫の山)が一軒。
子供から言わせれば、「ひみつのきち」とか言うモンらしいが・・・?
でもまあ、一応このボロ家にも住人(?)が居るようで。
そこらへんの板切れに爪で引っかいたような跡で字が書かれている表札がその証拠だ。
『ちびっこ船隊チャオレンジャー』
表札にはこう書かれている。「戦隊」の字が間違っているが、面倒なので敢えてツッコまない。
・・・そう、ここは、泣く子も黙る「ちびっこ戦隊チャオレンジャー」の本部なのである。
【赤い奴】「ちびっこ戦隊チャオレンジャーの復活に、乾杯ー!!」
リーダーと思しき奴が、ビールジョッキ(但し中身は麦茶)を大きく振り上げた。あまりの勢いに、中身がこぼれる。
【青い奴】「ってか、俺ら活動休止でもしてたの?『復活』って・・・」
こぼれた麦茶を拭きながら、青いチャオが喋った。
【赤い奴】「別に?ただ景気付けに。」リーダーが淡々と喋る。「休止なんてする訳無いじゃん?」
【緑ぃ奴】「そういや黄色、お前今日誕生日なんだってな。」
会話の途切れ目に、すかさず緑のチャオが割り込む。何とも、隙が無い・・・
【黄】「フ、俺はかのスーパースター、エッグマンと同じ誕生日なのだっ!!」
黄色は大笑いしながらご満悦のご様子。何がそんなに嬉しいのか、一同は首を傾げた。
そして、この笑い声は、深夜遅くまで続いたという・・・・
(この後、付近の住民から苦情が殺到し、チャオレンジャー本部は移動を強いられたのは言うまでもない)
【桃色な奴】「・・・てゆーか、最悪な終わり方じゃない?コレ。」
最後に、出番が無かったピンク色のチャオが呟いた。