レイズとチャオ
チチチチ・・
「ん・・・。朝か・・。」
レイズがふと横を向くと、普通より、なんまわりも大きい卵があった。朝の日光の光を浴びて輝いていた黄色の卵。
「こっ・・これは・・?」
興味があり、レイズは卵を抱えた。すると、卵は光を放った。そして、卵がゆれ始める。
パキパキ・・・
卵にひびが入り、なかから不思議な生き物が生まれた。見た目は艶やかな黄色、顔は三角、上のほうに丸いものが浮いており、背中には羽がある。
「きっ・・君は・・。何者なんだい?」
「初メマシテ。チャオデス。私ノ名前・・付ケテクレマセンカ?。」
「なっ・・名前?ええっと・・。」
チャオという名の生き物が生まれてきた。しかも喋っている。レイズは口をパクパクさせながら言った。
「そうだな・・。チャースリンはどうだ?」
「! アリガトウ!今日カラソノ名前デ呼ンデクダサイ。」
「おし!あっ・・まてよ・・。母さんに見つかったら・・やべぇだろうな。ま、いっか。」
そんな事は上の空のレイズ。チャースリンは頭の丸いのをはてなにする。
「ドウシタノデスカ?アッ、名前ヲ聞イテナカッタデス。」
「ん?あ、すまねぇな。俺はレイズ。宜しくな!」
そういうとレイズは手を差し出す。チャースリンは丸いの(以下ぽよ)をはてなにしたが、手を差し出す。
レイズはチャースリンをつれて、公園に行った。あさの公園は誰もいないのでゆっくり遊べた。
「楽シイデス!オ友達ホシイナ・・。」
「ん・・。そっか。友達ね!」
そういうとレイズはついて来いといわんばかりに手を招く。チャースリンはぽよをはてなにし、ついて行った。
レイズが向かった先は「CHAOセンター」だった。
(そっか。ここは、チャースリンのような生き物のセンターだったのか・・。)
レイズはちょっと笑った。チャースリンは感情に敏感なためレイズが笑うと自分も気分が良くなる。すると、ぽよがハートマークになった。
(あっ・・。ハートマークになってる・・。ふっ・・)
「さ、行こうか!」
「ソウダネ!イクイク!」
ガーッ
センターの中に入ると、チャースリンの目は輝いた。そこには、仲間(チャオ)たちが沢山いて、チャオの好む、綺麗な水場と、草原のような場所だったのだから・・。
「ハァ・・イイデスネ・・。ミナサン。ワタシモイキタイデス
ー・・。」
チャースリンは落ち込み、座り込んでしまう。レイズは、チャースリンを持ち上げると、水の中に放り込んだ。
ザブンッ・・!
「プハッ・・。ナニスルデスカ!!」
「へへっ。遊べばいいだろ!」
そういうとレイズはニカッと笑った。チャースリンはありがとうと言う代わりにハートマークを出していた。
「チャースリンはうちで飼えないんだ・・。ここの方がよっぽどいい。あいつの笑う姿を見てから帰ろう。」
チャースリンは他のチャオたちと仲良く遊んでいた。ところが、レイズが帰ろうとしたとたん、チャースリンはレイズのほうへ行く。
「ドコイクノデスカ!?私ヲオイテイカナイデ!」
チャースリンは目に涙をためていた。レイズはうつむいたままだった。チャースリンは涙をこらえて、レイズが出て行くのを防ごうとしている。
「レイズ、ドコヘ・・・。」
ここまで言うと、レイズの口が開いたのだ。
「いいか、チャースリン、お前は家に居ると、追い出されてしまう。俺は、そんなの嫌だから、お前をここにおいていく。じゃな。時々くるからよ!」
そういうと、レイズは駆け出す。チャースリンはそんなレイズの背中を見送ってこういった。
「アリガトウ・・。ワカキオウジ・・」
その後、チャースリンは転生し、灰色の繭になり、消えた。それを知るよしも無く、レイズは、二度とココへは来なかった。