およげ!チャオ。
チャオは、お水遊びが大好きです。
いじめっ子からぎゃ~ぎゃ~逃げてる時も、
大好きなあのヒトが口笛吹いた時も、
抱っこしてもらってたら、そのまんま投げ飛ばされた時も、
お池にポチャンとつかればそんなコトも忘れ、お水遊びに興じます。
「あんぶ~。」
産まれたてのチャオも早速、お池に向かいます。
「あんぶ~。(ボクもお水遊びしたいちゃお。)」
お池にはお友達のチャオ達が水遊びしているよ。
「あんぶ~。(ボクも仲間にいれてちゃお~。)」
産まれたてのチャオも、お池に飛び込みました。
「あっぷあっぷ!」
だけど、まだまだハイハイな彼は、泳ぐことが出来ません。
「あっぷあっぷ!(た、助けてちゃお~!)」
産まれたてのチャオの目の前には、頭部がひこうきみたいな、ヒーローオヨギタイプのチャオが、にんまりと立ち泳ぎしています。
「あっぷあっぷ!(た、助けてちゃお~。)」
ヒーローオヨギタイプのチャオは、おもむろにバタ足を始め、泳ぎ去ります。
「あっぷあっぷ!(ひ、ひどいちゃお~。)」
おぼれてるチャオのそばに、後頭部がひどく垂れ下がったノーマルオヨギタイプのチャオが近づいてきます。
「あっぷあっぷ!(た、助けてちゃお~。)」
ノーマルオヨギタイプのチャオは、溺れてるチャオの目の前でクルリと体の上下の向きを変え、にっこにこしたまま背泳ぎでそのまま通り過ぎます。
「あっぷあっぷ!(ま、待ってちゃお~~。)」
溺れてるチャオがガーデンの方へ目をやると、赤くてずんぐりしたヤツが、おらおら~言いながらガーデン中をほじくりかえしてます。
意識がとおのきながらもお池からはい上がったチャオは、考えました。
お水遊びがしたい。
でも、ボクは溺れちゃう。
チャオは考えて考えて考えぬいて、ある妙案を思いつきました。
「あんぶ~。(そうちゃお、水泳のオリンピック金メダリストをキャプチャーするちゃお。)
あんぶ~。(これでボクが一番泳ぎがうまくなるちゃお。ボクを助けてくれなかったヤツ等を、見返してやるちゃお。ぷぷぷ。みんな驚くちゃお。今から楽しみちゃお。)」
某金メダリストをキャプチャーしてきたチャオは、早速お池に向かいます。
「あんぶ~。(みんな、ボクの泳ぎを見るちゃお!)」
彼の前に、ヒーローオヨギタイプのチャオがたそがれてます。
「ちゃ~。(また溺れちゃうちゃおよ。やめるちゃお。)」
しかし、産まれたてのチャオも聞く耳もちません。
「あんぶ~。(ふんちゃお。この前ボクを助けてくれなかったヤツが、ナニ言ってるちゃお。)」
ヒーローオヨギタイプのチャオは、お池に向かうチャオの前に立ちふさがります。
「ちゃ~。(あれは仕方なかったちゃお。チャオにはどうしようもなかたちゃお。許せちゃお。)」
前に立ちふさがったヒーローオヨギタイプのチャオを押しながら、彼も口答えします。
「あんぶ~。(ふんちゃお。なんとでも言えちゃお。ボクは、この前までのボクじゃないちゃお。)」
ヒーローオヨギタイプのチャオは、彼の自信がきになります。
まだオヨギの数値もさほど無いのに、です。
「ちゃ~。(何か、作戦はあるちゃお?)」
「あんぶ~。(あるちゃお。)」
「ちゃ~。(それは、どんな作戦ちゃお?)」
「あんぶ~。(秘密ちゃお!)」
…。
ヒーローオヨギタイプのチャオは、一歩横にどきました。
「あんぶ~。(やっとどいてくれたちゃお。)」
産まれたてのチャオは、お池に入ります。
チャオは、潜ったまんまなかなか浮んできません。
チャオは、まだ潜ったまんまです。
チャオは、かれこれ30秒くらい、潜ったまんまです。
お?やっと浮んできました。
「あっぷあっぷ!」
なんと彼は、溺れてます!?
「あっぷあっぷ!(な、なんでボクは溺れてるちゃお~?)」
まあ、仕方ありませんね。
金メダリストキャプチャーしても、
仕草を覚えるだけで、オヨギの数値は上がりませんからね。残念。