真っ赤な炎
ここは・・・森の奥深く・・・ずっとずっと・・・奥深く・・・
都会とかけ離れた・・・静かな森・・・風が吹くと、木がなびき、
ザァザァとメロディを奏でる・・・
ここには鳥、虫、動物・・・いろんな生き物が住んでいる・・・
そして・・・・・・チャオも・・・・・・
「早く!急げ!もう時間がないんだぞ!」
・・・なにやら、小さな村がある・・・広場に、木で作った家が置いてあるだけの村・・・チャオが住んでいる村だ・・・
でも、今日はなんだかにぎわってる・・・いつもは静かなんだけどなぁ・・・?
「あっ!そこなにやってんだ!これはこうして・・・・・・」
・・・先ほどからみんなに指示を出しているこの赤いチャオ・・・
実は今回の作戦の発案者だ
・・・え?何の作戦かって?それは先のお楽しみ
「おーい、できたよー!!」
声のする方向に、駆け寄る赤いチャオ
「よし!じゃあ次はこの作業を・・・」
といって、作業を終えた青いチャオに次の作業をあたえる
そして自分は、森の中へ入って行った・・・
この森は・・・いろいろな事情で人間の下から離れてきたチャオが集まる場所なんだ・・・
育ててくれた人間への思いが忘れられないチャオや・・・・
人間にいじめられたという悲しい過去を持つチャオ・・・
主人が突然の事故で亡くなってしまったチャオ・・・
生まれ故郷がこの森であるチャオも・・・
いろんなチャオが、この森には集まってくる・・・
そんな中・・・もう何十年も前からこの森にいるチャオがいる・・・
それが・・・・・・長老・・・
長老は、この村の村長でもある・・・あれ?今は何歳だっけ?
とにかく、ずっと昔からこの森にいるチャオなんだ・・・
でも最近は、村から少し離れたところにすんでいて、
そこに行くには、とっても暗い・・・通称「お化け道」を通らなきゃいけないんだ・・・
だから、来客はめったにない・・・来るのは、食事を運んでくるチャオや、
定期的に様子を見に来るチャオだけ・・・
「・・・・・・・ふぅ・・・」
でるのは、こんなため息ばかり・・・
「・・・わしは・・・どうすればいいんじゃろうか・・・」
長老は迷っていた・・・みんなに気を使わせるんだったら・・・
この森から出て行ってしまったほうがいいのでは・・・と・・・
みんなを手伝おうにも、足が思うように動かない・・・
こんなジジイ、はやくでていったほうが・・・
「村ちょーう!」
「・・・?」
先ほどの赤いチャオだ
杖を突きながら、玄関のほうに歩いてゆく・・・
「・・・あっ!村長!実は・・・ちょっとついてきてほしいんですが・・・」
「・・・わしが?」
「はい・・・あっ、それと・・・これを付けてください!」
赤いチャオが渡したのは・・・目隠し・・・
そして、目隠しをつけ、赤いチャオに手を引っ張られながら歩いてゆく・・・
しばらく歩いたと思ったら、赤いチャオが立ち止まる
それに合わせ、村長も止まる
「・・・もういいですよ」
そういうと、村長の目隠しを取る・・・次の瞬間、村長がみたものは・・・・・・
木、葉っぱで綺麗に彩られた村・・・
村のチャオが全員拍手をしている様子・・・・・・
そして・・・・・・地面に書かれた「誕生日おめでとう」の文字・・・・・・
「・・・こ・・・これは・・・」
村全員で答える
「村長!100歳の誕生日、おめでとーーー!!」
「・・・・・・・・・・」
しばらく開いた口が塞がらなかった
そして目から水を流しながら・・・・・・
「・・・・・・ありがとう・・・」
「よーし!今日は誕生日祝いだー!!盛り上がるぞーー!!」
「おーーーー!!」
・・・村長と村のチャオが、炎を囲んで盛り上がる
炎は真っ赤に燃え盛る
村長の不安を、焼き尽くすかのように・・・・・・
・・・・・・宴はまだ、始まったばかりだ・・・・・・