幻の下敷きを求め。

「……………。」

荒野の真中に、3つのチャオがおりました。
それは、青色、赤色、緑色の色をしてました。
その球体の前にはアーチ型の看板が。
その看板には「ようこそメシィー村へ!」と赤いペンキのようなものでかかれていました。
「………帰る。」
赤いチャオが言いました。
「えー。折角ここまで来たんだから、中に入ってあの下敷きを買っていこうよ。」
あの下敷きとは。

………数時間前。
「ねぇねぇ!レオくん!!」
緑のチャオが部屋から飛び出してきました。
「ん、どうしたの?カルル。」
レオと呼ばれたチャオがそういい返しました。
「ほらほら!これ見てよ!」
そう言ってカルルは持っていた雑誌を見せました。そこには「幻のレア下敷き、ここに眠る!!」とかかれていました。
「………何?これ…。」
「下敷きの雑誌。レア物情報とかが載ってるの。」
誰が買うんだか知らないが、とりあえずはざらっと見てみることにした。
そこには簡単な場所の説明、その道なりの地図、場所の中などがかかれていた。
「…まぁ、たまには旅行もいいね。いってみようか。」
「出前でーす。」
玄関から声がしました。
「あーい、今受け取りまーす。」
ネオスが滅多に使わない敬語を使って出前したラーメンセットを取りに行った。
ラーメンセットというのはラーメン+半チャーハン+ギョーザ2皿のセット。値段は870リング。
単品で頼むより約400リングは得。
「まいどー。」
出前は金を受け取ると、すぐにすぐそこにあった自転車に乗って帰っていった。
「ん、食うか?」
ネオスが聞く。
「別にいいですよ。それよりこれ。」
レオがさっきの雑誌をネオスに見せました。
「ん、何だこれ、幻のレア下敷き・・・?」
「たまには旅行もいいかなーって。どうです?」
「んまぁ…いいんじゃねぇの?」
ネオスがそう言うと、
「やったー!んじゃあ行こう!!」
「あ。ちょっと、カルル!?まだ準備が…。」



「……………帰りたい。」
レオが言いました。
「上に同じく。」
ネオスも言いました。
「ぇー。やっぱり入ろうよー。」
カルルが反対しました。すると、
「んじゃあお前だけ入ってろッ!」
そう言ってネオスはカルルをアーチの中に投げ込みました。
「あああぁぁぁぁぁぁぁ………」
…………………
「メシィ!!」
「メシィ!メシィ!メシィ!メシィ!」
「メッシイィ!」
「…………………」
レオはその様子を口をあけてみていました。
「………………」
ネオスはその様子を見た後、
「…………………………あばよ…………。」
そのまま立ち去りました。
その後レオも。
「………私は何も見ていないし聞いてもいません…。」
その場から立ち去りました。
その後。
「ひどいなぁ。二人とも。声くらいかけてよ。」
辛うじて生きていたカルルが言いました。
「だっていえる状況じゃなかったんだもん。
レオが言いました。
「そういえば…これ。」
そう言ってカルルが下敷きを差し出しました。
「あれ、これって…あの村にあった奴?
「そうだよ。1枚貰ってきちゃったー。」
「…………」

END

この作品について
タイトル
幻の下敷きを求め。
作者
アストロ(ドラゴチャオ)
初回掲載
週刊チャオ第183号