ライトカオス

ライトカオス…転生二回以上繰り返し、小動物を全てあげ、かなり懐いている時に進化するチャオ。

そのチャオはいじめない限りは死なない不死身のチャオ…

ふざけんな。

俺はライトカオス…昔はご主人が俺につきっきりで小動物を渡していた。

だっこやなでるとかたくさんしてくれた。

ちょっとウザったい時もあったけれど幸せだった。

もう十回以上転生したと思う。

体全体に力がわいて、レースではいつもダントツ一位。

医者チャオが言うには、俺のアビリティというものがオールSらしい。

ご主人はそれを聞いて喜んで次の転生を待った…それが最後の転生だった。

コドモに戻った俺にご主人は大量の小動物をくれた。

その小動物はいつもは3種類だったのに、今日は今までもらった小動物全てをくれた。

見たこともない、綺麗な不死鳥や犬の形をした骨とかもくれた。

そして最後の進化の時が来た。

繭の中で俺は変だなと感じた。今まで進化してきた感じと全く違う…

繭から出てきた俺を見て、ご主人は飛び上がって喜んだ。

いつもは撫でてくれるのに…?ご主人を無視して水に映る自分の姿を見た。

見たこともない形。

俺は何が何だかわからなくなった。

笑ったり、怒ったりしてみたが、透明になったポヨでしか判別出来ない。

表情がなくなった。

今まで付いてたパーツも全て失っていた。

ご主人は笑いながら、身体に付かなくなった小動物を俺に渡しつづけた…

あれからどれくらい経ったかわからなくなった。

周りにいるナイツチャオやヒーローチカラチャオは『死んだりしないの?すごーい!』と羨ましがった。

お前らが思っているほどの事じゃねぇよ。

かなり辛い。ご主人はもう俺を完全無視して、他のチャオのパワーアップで忙しそうだった。

ここにいるのも暇になった…幼稚園で習った事も飽きてきた。

早く虐めて俺を解放してくれよ、ご主人。

俺の言葉がご主人にわかりっこない…。

その夜、俺はガーデンの裏の洞穴近くまで来た。

…行ったきり帰ってこれない秘密の抜け穴。

自分自身を解放するにはこれしかなかった。

俺は迷うことなくその穴に入った…

…寂しがりでかまってほしかったチャオが入っていく穴に…。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~Fin~~~~~~~~

この作品について
タイトル
ライトカオス
作者
まっきー(ライカ)
初回掲載
週刊チャオ第83号