「今日の君は昨日の僕」

僕はチャール。

『君』もチャール。

え?おかしいって?これを聞けばわかるよ・・・。



『君』はいつもそばにいてくれた。

どんな日でも。

どんな事があろうかと。

だって『君』は僕だもの。

君が僕の物にいたずらをしていると僕は、

「やめてよ!」

と言う。

だけど『君』は

「チャールだって昨日同じ事してたろ。」

と言う。

そういえば、昨日友達にそんな事しちゃったな・・・。

それに気がつくと『君』は消えてしまう。

見てみると物にいたずらもされていない。

そして僕は友達に謝りに行く。

僕が悪さをする度に『君』は出てくる。

そして僕のやった事と同じ事を僕にする。

その事がどんなに嫌か僕が気づくと『君』は消える。

僕はいたずら好きだった。

だけど『君』のおかげでいたずら好きだった頃の僕はもういない。

僕は大人になった。

「『君』のおかげで大人になれたよ!」

と僕は言う。

だが『君』は出てこない。

『君』はどこへ行ったの?

そしてとうとう『君』は見つからない。

『君』は僕の何なんだい?

教えてくれよ、知りたいんだ!

そうすると『君』が突然出てきた。

『君』はこう言った。

「チャールに僕は必要ないよ。」

そして『君』はまた消えた。

それ以来『君』に会っていない。

もしかして『君』は僕の隠れた良心だったのかもしれない・・・。




~END~

この作品について
タイトル
「今日の君は昨日の僕」
作者
ドロッパ(丸銀)
初回掲載
週刊チャオ第40号