前半
今は、寒く、冷たい、冬。
寂しい人にとっては、さらに冷たくなってしまう、冬。
白い雪が、ちらほらと落ちてきた。
僕の肌に着地しては、一瞬で溶ける。
コォオ・・・・と冷たい風がふく。
冷たい風は、寂しがりやだけが行ける、風の国の入り口らしい。
そして、ここに、寂しがりやで真っ白なチャオが一匹・・・・
ホワイト「冷たい。そして寂しい。寒い。」
ホワイトは、友達もいない。雪が、何倍も冷たく感じた。
ゴオオオオっ!!と強い風がふいた。
ホワイトは、風に押されて、転んだ。
ホワイト「なんだい、風まで、僕をいじめるのかい、」
猛吹雪だ。小さな雪のつぶが、ホワイトを叩いていく。
ホワイト「・・・・・雪までいじめるのかい。・・・」
その時だった。ホワイトの目の前が、風と雪で真っ白になった。
そう、ホワイトは、風の世界へ行った、はじめてのチャオなんだ。
ホワイト「吹雪は、・・・・やんだのか・・・?」
目を開けると、そこは真っ白で、透き通った、ガラスのような世界だった。
???「ようこそ、風の世界へ。」
ホワイト「誰、君も僕をいじめるのかい?」
???「君、何も気づかないのかい、」
ホワイトはムッとした。
ホワイト「そりゃあ気づいてるよ。で、ここどこ、」
???「風の世界。冬にいる寂しがりやにしか来れない世界。」
んでもって、こいつは、白く半透明チャオ。
ウィンド「僕の名前はウィンド。風の世界の主。」
ホワイト「あっそ。んで、ここから出してよ。」
ウィンド「なんだよ、また寒い世界に行くのかい?」
ホワイト「お前がなんだよ、ここで俺が何をしろと?」
ウィンド「僕はお前の友達だ。」
ホワイト「は?」
ホワイトは、友達なんかできたことさえなかった。だから、驚いた。
ウィンド「なんだ?不満か?」
ホワイト「大きなお世話だ!同情されて友達ができるのなんていやだね!!フン!」
ウィンド「俺が決めた。俺は、お前の友達。」
ホワイト「勝手に決めるな!!」