悲しき時のさが

あるときあるところ、チャオガーデンというところに2匹のチャオが居ました。
二匹は恋人同士。お互いに相手のことが大好きでした。
「チャオ太君、私たちいつまでも一緒よね!」
「もちろんだよ、チャオ美ちゃん」
本当に二匹は幸せでした。

しかし・・・そんな二匹にも、しばしの別れのときがやってきたのです。
それはソニックのこの一言で始まりました。
「チャオ太を集中的に育成したいから、チャオ太はヒーローガーデンに行こうか」
二匹は悲しみました。少しの間でも、二匹にとって別れは辛いものだったのです。
「チャオ太君、また絶対に会えるよね?」
「もちろんだよ、チャオ美ちゃん」
「本当ね?じゃあ私待つわ。あなたが帰ってくるまでいつまでも待ってるから」
「ありがとうチャオ美ちゃん。僕も今よりずっとたくましくなって戻ってくるよ」
二匹はそう言って別れ、それからもお互いのことを思いつづけながら、
そのときが来るのを待っていました。

そして、ある日、ついにその時はやってきました。
チャオ太の育成が終わって、チャオガーデンに戻ってくるのです。
「ずっとこのときが来るのを待ってた!私、もうすぐ彼に会えるのね!」
そして、チャオガーデンにソニックがやってきました。
「しばらくチャオ太の育成に夢中だったから、こっちに来るのは久しぶりだな」
(チャオ太君は!?チャオ太君はまだなの!?早く彼に会わせて!)
チャオ美の所から、ソニックの後ろにチャオがいるのが見えました。
「チャオ太君!?」
そう言ってチャオを見ると・・・
「はあ~、あんた誰ですかいのお?」
「げっ、何このおじいさんチャオは?チャオ太君はどうしたのよ!!」
「おお、あんたもしかしてチャオ美さんかえ?
久しぶりじゃのう、わしじゃよ、チャオ太じゃよ」
「そんなわけないでしょ!チャオ太君はね、かっこよくて、若くて、強くて、やさしい男の子なのよ!!
って、あら?このペンダントは、私が子供の頃にチャオ太君にあげた・・・
!じゃあもしかして、あなたが・・・・!?」
「だから言っとるじゃろうが、わしがチャオ太じゃよ」

この作品について
タイトル
悲しき時のさが
作者
マッハ(服部)
初回掲載
週刊チャオ第5号