かいよりはじめよ。

青い弾丸が、チャオガーデンを走る。

ポッコ~ン!

逃げるチャオを、青い弾丸が弾き飛ばす。
青い弾丸はその形状を変え、青いハリネズミと化す。
「やっぱ、ぶっさいくなチャオにはスピンアタックに限るぜ。」
遠くでうつ伏せに倒れ、ポコポコと渦巻きを浮かべるチャオを見て、青いハリネズミは言う。
よっぽどこのチャオが嫌いらしい。

青いハリネズミは、倒れたチャオの上空へとジャンプする。
「くらえ、ローリングクラッシュ!!」
そのまま上空からチャオを踏みつける。
しかしチャオはすぐに立ち上がり、その直撃を避ける。
「こんにゃろ~!」
青いハリネズミは、避けたチャオにおかんむりだ。
今度はバウンドアタックを繰り返す。
これにはチャオも避けきれず、直撃をくらい、吹き飛ばされる。


「ひ、ひどいちゃお~。なんでお前はこんなことするちゃお~?」
チャオは、涙目で訴える。
「うっるせえなあ。」
吹き飛んだ先で、いっちょ前なことをほざくこのチャオに、今度はどんな鉄拳制裁を加えようかと考えながら、青いハリネズミはチャオに歩み寄る。
「お前がぶっさいくなチャオだからだろ?」
「ひ、ひどいちゃお~!」
チャオは青いハリネズミの言葉に、思わず叫ぶ。

「ひどいのは、どっちだぁ!」
チャオの言葉に、青いハリネズミもさけぶ。
「オレはなあ、かわいいチャオと戯れたいだよ、くっそう、なんでこのガーデンにはお前みたいなぶっさいくなチャオしかいないんだ~!」
青いハリネズミは、お友達のチャオ自慢を聞くにつれ、なんで自分とこのチャオはこんなにぶっさいくなのかと、嘆いていた。

「じゃあお前、かわいいチャオに来て欲しいちゃおね、このガーデンに。」
青いハリネズミの言葉に、妙案を思いつくチャオ。
「だったら、ボクをかわいがるちゃお!」
「はあ?」
青いハリネズミは、チャオの言葉の意味が良く分からない。
「なんでお前ごときぶっさいくなチャオをかわいがらなあかんねん?」
青いハリネズミは、当然の疑問を口にする。

「ボクごときぶっさいくなチャオでもかわいがられるなら、ボクよりもかわいいチャオなら、もっとかわいがられる思うちゃお。
 かわいがられに、きっとこのガーデンにかわいいチャオが、やって来るちゃお!」


青いハリネズミは、このチャオをかわいがりました。
抱っこしてガーデン中を駆け回ります。
チャオはきゃっきゃと喜び、とても幸せです。
そして、見事に転生することもできました。

え?
かわいいチャオは来たのかって?
来る訳無いでしょう。チャオは、闇の取引所で購入しないと。


おしまい。

この作品について
タイトル
かいよりはじめよ。
作者
あさぼらけ
初回掲載
週刊チャオ第144号