自称博士と俺のささやかなチャオライフ

俺はこのやたらと広い家に住んでいる。
外から見た感じではどこにもありそうな一軒家であるのだが
とにかく部屋の数が少なく、そして居間のスペースがとても広い。
その居間には家具はテレビやら本棚やらパソコンやら、たくさん置いてあるのだが
部屋が狭くなったという印象はあまりない。

そんな家に俺は居候しているわけで
本当のこの家の持ち主はというと、とてつもなく変わっている。

そいつは仕事をせずに一日中部屋に引きこもっている。
(部屋といっても居間にいるのだが)
俺が見ている限り一日中パソコンの画面とにらめっこしている。
おそらく俺が仕事をしている時もそうなのだろう。
(やつは「チャオの研究だ」とか言っているが、
絶対にもっと危ないことをしているに違いないと俺は思っている)

そして、俺は仕事で働いて金を稼ぐと同時に
外に出ないそいつの身の回りの世話をしなくてはならない。買い物とかが主である。
……本当にこんな生活でいいのか俺。


「僕が住むところを君に提供し、君は僕のために働くと共に研究材料の『チャオ』を提供する。バランスがよいではないか」
「うん。そうだな……って、俺のチャオを勝手に危ない研究に巻き込むな!」
「安心したまえ。チャオの体を調べるために解剖をするだけだ。
ま、中身を覗いた後は放置するかもしれないが」
「安心できねぇよ!っていうか解剖したら放置するな!!」
「メンドクサイ」
「それだけの理由で放置かよ!?」


―――自称博士と俺のささやかなチャオライフ―――


「それはそうと、俺のチャオはどこだよ?」
「残念ながら僕の気が向いた時には手遅れだったよ」
「うあーーー!こいつ解剖しやがったーーー!!」
「はっはっは、冗談だ。信じるな。新しい薬を飲ましていただけだ。
それを飲むと……」
「飲むとどうなるんだよ」
「聞きたいかい?」
「嫌な予感がするけど……まぁ、一応」
俺がそう言うと、やつは目を瞑り、しばらくしてから妙に明るい声で言った。

「マユに包まれて消える。わぁびっくり」
「死んでる!!死んでるよそれ!!」
「騒ぐな騒ぐな。そういう仕様だ」
「そういう仕様ならなおさら問題だから!!」
「というのは冗談で、チャオが好きな食べ物を調べていたんだ」
「ふむ…。で、何を食べさせたんだ?」
「寿司についてくる草とつまようじと、それからみかんの皮」
「どれも普通食べないだろうと思わないのか」
「意外と食べるかもしれないじゃないか。実験してみないとわからんぞ」
「どうせ食べてすぐ吐き出しただろ」
「な、なんでわかった!?」
「わかったも何も、俺だって吐き出すぞ!!このアホー!!」
「なんだと!この腐れチャオ!!」
「俺、チャオじゃねぇよ!!」
「じゃあ、腐れ!!」
「腐ってもねぇよ!!」
「この…パシリ!!」
「パシリじゃな…。いや、パシリだけど!!」
「罰としてお前のチャオを解剖する!!」
「いや、ちょっと待て!!っていうか一生待て!!」
「待たない!!」

あぁ!こら、メスなんて握って…!!しかも俺のチャオを床に固定してるし!!
危ない!危ないよ!正気か!?いや、元から正気だなんて思ってもいないけどさ!!
えーと、あれだ。こういう時に言うことは…!!

「使うならチェーンソーだろ!!」

……。違うよ!?色々と間違えてるよ俺!!
チャオの解剖にチェーンソーなんて物騒すぎだし…
ってつっこむべき所はそっちじゃないしね!!

って、待て待て待て!!本当にチェーンソーなんて持つなよ!!
こら、やめろーーー!!


…こんな家、とっとと出て行った方がいいのだろうか…?

この作品について
タイトル
自称博士と俺のささやかなチャオライフ
作者
スマッシュ
初回掲載
週刊チャオ第204号