いたずら
ある日のこと。チャオの目の前に一つのおなべが置いてありました。
チャオはそれを手に取り、きゅっきゅっと手でこすってみました。すると。
ぼわん。
っと、おなべの中から小さな妖精さんが出てきました。
妖精さんは言いました。
「キミの願いを一つだけかなえてあげよう。願い事が決まったら、おなべを被ってお願いしてごらん」
チャオはとっても喜びました。おなべを抱きかかえて何をお願いしようか考えます。
しばらく考え続け、ついに願い事が決まりました。
チャオはおなべを被って言いました。
「大金持ちにしてほしいチャオっ」
妖精さんは言いました。
「じゃあおなべを取ってごらん」
チャオはおなべを取ろうとして、愕然としました。とれません。
どうやってもとれません。引っ張っても叩いても振ってもとれません。
妖精さんは言いました。
「もう一度願い事を言ってごらん」
チャオは言いました。
「…おなべを取って欲しいチャオ」