いたづら

ある日のこと。チャオの目の前に一つのおなべが置いてありました。

チャオはそれを手に取り、きゅっきゅっと手でこすってみました。すると。

ぼわん。

っと、おなべの中から小さな妖精さんが出てきました。

妖精さんは言いました。

「キミの願いを一つだけかなえてあげるよ」

チャオはとっても喜びました。おなべを抱きかかえて何をお願いしようか考えます。

チャオは考えました。

とっても考えました。

たくさん考えました。

いっぱい考えました。

すっごく考えましたが、どうしても決めることができません。

すっかり日が暮れた頃。

チャオはようやく決めました。

妖精さんは言いました。

「願い事を言ってごらん」

チャオは言いました。

「僕の願い事を決めて欲しいチャオ」

この作品について
タイトル
イタヅラ
作者
宏(hiro改,ヒロアキ)
初回掲載
週刊チャオ第153号