紅の女神が闇夜の閃光に輝く小説講座
一ノ瀬「一ノ瀬美佳様の小説講座だー!」
刹那「小説講座……。ふん、くだらん企画によくも俺をつき合わさせてくれる」
一ノ瀬「黙れ黙れ。この講座を通してチャオ小説初心者に魅力的な小説を書いてもらうのだ」
刹那「新人の教育か……。手は抜かん」
隼人「この2人の講座ってことで不安が隠せないです」
一ノ瀬「なんだ10期生。文句あるのか?」
隼人「お前もそうだろ」
一ノ瀬「私既に委員会メンバー。お前まだゼミナール生」
隼人「すみませんでした」
一ノ瀬「というわけで今回は、差を見せる」
隼人「差……ですか」
一ノ瀬「そうだ。初心者とそうでない者の差をわかりやすく見せることで、自分が目指すところを把握してもらう」
刹那「絶望から生まれる希望もある」
隼人「よくわからない比喩はやめてください」
一ノ瀬「というわけで戦闘初心者の十文字隼人。ここに雑魚敵がいる。やっつけてみろ」
雑魚敵A「イィーッ!」
雑魚敵B「俺、空手やってんだぞ!?」
隼人「うぃっす!頑張るっす!」
【初心者の場合】
隼人「うらー!」
ガシッ
ポカッ
雑魚共「うぎゃー!!」
(爆)
【完】
一ノ瀬「ということになる」
隼人「どこがいけないんですか?」
一ノ瀬「まあ見てろ」
【非初心者の場合】
一ノ瀬は二人の雑魚へ向かって駆けていく。本来、彼女は二つの拳銃を使って戦う。いわゆる二丁拳銃だ。しかし今日はそれをしない。何故か。これは小説講座であり相手は雑魚敵であるからだ。二つの拳銃の引き金を引くだけで戦闘が終わってしまう。そんなことをしたら説明として不親切すぎる。そういうことを考えて一ノ瀬はあえて素手で立ち向かう。まずは空手をやっているとか言っていた雑魚敵Bからだ。相手は怖気づいているのか、一ノ瀬が素早く近寄ると、ひぃっ、などと声を漏らしながら目を閉じて後退する。そのまま顔面を殴りつけてやると、地面に沈んだまま立ち上がってこなかった。空手をやっていたのではなかったのだろうか。続いてもう一人。こちらの雑魚敵は侮れない。先ほどの口調から察するに、常人の三倍は強いはずだ。近づいて間合いに入る。そして素早く顎を蹴り上げる。勿論、避けられる前提なので素早く足を引き、一歩下がる。が、雑魚敵Bは倒れていた。
「あれ」
たった二発で終わってしまった。どうしよう。
【完】
一ノ瀬「と、こんな風に誰がどういう動きをして戦っているのかを解説するんだ」
隼人「なるほど。でもなんで戦闘シーンなんでしょう」
刹那「戦場に咲く血の花ほど美しい物はこの世に存在しないのだ」
隼人「意味がわかりません」
刹那「ではこの俺が華麗なる鮮血を見せてやろうではないか」
豪我「戦闘シーンはワシに任せろー!」
一ノ瀬「会長っ!?」
【無限豪我会長の場合】
爆砕。
【完】
一ノ瀬「すげーや会長!なんか色々と超越してる!」
隼人「これが短い文章で何もかも伝えてしまう日本語の魅力なんですね!」
豪我「ふははははは!!」
一ノ瀬「それでは一ノ瀬美佳様の小説講座第一回はこれにて終了だ!アディオス!!」
刹那「ふっ……俺の出るまでもなかったか」
一ノ瀬「いや、出番なかっただけっす。お疲れ様っす」