─編集部で電話番─ (モロにキーワード小説)

聖誕祭おめでとう。7周年オメデトウ。
SSはステーションスクエアではなく静岡県静岡市の略です(謎)。
それでは本題行きましょうか。




ったく、クリスマス前に金がなくなるなんて、うかつだった。
彼女にプレゼント頼まれたんだっけな。 くそ、何で女はそんな非・実用的でやたらと高いアイテムが好きなんだ?
クリスマス間際に焦ってバイト探して・・・結局ここしか妥当なのが見つからなかったな─



─編集部で電話番─



セイタンサイだとか何とかで出かけるから編集部を空ける、らしい。
その編集部だが、俺が来た頃にはもぬけの殻。
クリスマス飾りは何も無いのに、何かのキャラクターのぬいぐるみやら、聖誕祭カウントダウンカレンダーやら、理解しがたいものがてんこ盛りだ。
─あ、辛うじて卓上ツリーがあったか。

仕事は電話に適当に受け答えするだけ。 非常に不安な業務内容ではあるが、ここの奴らが適当で大丈夫と言うんだから大丈夫・・・・・なんだろう。
自給はそれなりに良い。 儲かってるのか?

電話のあるデスクに腰掛ける。 窓の見えない位置だ。 気が滅入る。
どうせ窓が見えないのだから、青空じゃなくて良い。 青空が曇って欲しい。
時計の針が3回動いた頃、俺の仕事は始まった。



♪とぅるるるるる~ がちゃっ
はいもしもし、こちら週刊チャオ編集部です。
え? うちの貼り紙の迷い猫を見つけた?
・・・申し訳ありませんが、俺はネコアレルギーなので・・・
がちゃっ つーつーつー・・・


♪ぷるるるるる~ がちゃっ
はいもしもし、こちら週刊チャオ編集部です。
え? 車が溝にはまった?
どこと勘違いしてかけてるんですか。
がちゃっ つーつーつー・・・


♪てれれれれれ~ がちゃっ
はいもしもし、こちら週刊チャオ編集部です。
え? えーと・・・いや、彼方はどちらの国の・・・ちょっ、そんな一方的に話を進められても・・・
・・・・・オーイエス!イエッサー!アンビリーバボー!ハッハッハー!!!・・・・・
がちゃっ つーつーつー・・・


♪ぴりりりりり~ がちゃっ
はいもしもし、こちら週刊チャオ編集部です。
え? あ!久しぶり~!! 中学の同窓会? 行く行く!!
・・・・なんで俺がここに居ること知ってるんだ?
がちゃっ つーつーつー・・・


♪てろりろりろり~ がちゃっ
はいもしもし、こちら週刊チャオ編集部です。
え? なんか後ろから声がしましたよ?
・・・誰だっ!?「萌え~」なんて言った奴はっ!
がちゃっ つーつーつー・・・


♪きゃぴーん(キャプチャー音) がちゃっ
はいもしもし、こちら週刊チャオ編集部です。
え? 事故った相手に車の修理代100万請求された?
─何が「オレオレ! 俺だよじいちゃん!!」だっ!! 俺だってまだ若い!!(泣)
がちゃっ つーつーつー・・・


♪マ○ヤヒ~ マイ○ホ~(着メロ) がちゃっ
はいもしもし、こちら週刊チャオ編集部です。
え? 宣戦布告?
うちに勝てる出版社など存在しません。
がちゃっ つーつーつー・・・


♪誰にも~ 内緒で~明日待ち~合わせしよ~(ソニックXエンディング) がちゃっ
はいもしもし、こちら週刊チャオ編集部です。
え? 予備校に入らないかって?
・・・俺がチャトル大学に落ちたって知ってるんですか?
がちゃっ つーつーつー・・・


♪チャオ・チャオ・ファーイブ!!(爆発) がちゃっ
はいもしもし、こちら週刊チャオ編集部です。
え? そもそもこの編集部には電話番号が無いだろうって?
知らなかったんですか? 最近はURLでも電話がかけられるんですよ。

・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・(違う、よな・・・・?)

がちゃっ つーつーつー・・・


─Fin?─

この作品について
タイトル
─編集部で電話番─ (モロにキーワード小説)
作者
ぺっく・ぴーす
初回掲載
週刊チャオ 聖誕祭記念号