下駄を投げても。
ー下駄を投げてもー
・・・・・・・・・・・・・
ドザー・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・」
大きな窓の傍に、1つの緑色のチャオがおりました。
「あ、どしたの?カルル。」
「・・・・・・・・・・・・ザロニガくぅん・・・」
外は一面の大雨。いつものカルルもブルーな気分です。
「そうだ!ザロニガくんならできるかも!!」
「はい?何を?」
「明日の天気、晴れにして。」
「・・・・・・は?」
ザロニガと呼ばれた蒼いチャオは仰天した。
普通に天気を変えるなどありえない。
仙人は出来たというが普通はできるわけ無い。
まぁ、風向きを変える位なら可能かもしれないが。
「何で?カルル?」
「明日は下敷きを買う日なの。でも天気は・・・」
ドザー。
「・・・・・・そういうことか・・・」
「ね?できるでしょ?ザロニガくん?」
「明日は諦めて、あさって買いに行けば?」
青のチャオが最もな意見を言う。
「えー、明日は限定発売の下敷きが売ってる日なの。買えなかったらボク、下敷きの神様に申し訳が立たないよ。」
何の神様だ。ザロニガはそう思ったが口にはしなかった。
「・・・あのねぇ、カルル。雨の原理って知ってる?」
「?なにそれ?」
まずそこから説明するのかよ。青のチャオは思った。
「まずね、雨は雲の水滴が集まって落ちてくるもののことを言うの。」
「えぇっ!!雲って大きい綿飴じゃないの?」
んなおとぎ話を信じたのか。そう思ったが口にはしなかった。
「だから、天気は神様しか変えられないの。」
「そっかぁ。じゃあ下敷きの神様にお願いしようー。」
そう言って緑のチャオは部屋に入っていきました。
「・・・ふぅ。読書でもするかな・・・。」
カコーン。
カルルの部屋から何か聞こえてきました。
「何やってんだぁ?カルル?」
赤のチャオが部屋に入ると、そこには裏向きになった下駄が。
「・・・やっぱり雨かぁ・・・・・・」
END