−フシギなユメ−
「・・・サ・クラ・・・」
「ん・ん・・・」
「サクラ・・・起きなさい、サクラ・・・」
「うーん・・・」
どこか遠くのほうで誰かの声がしてる。起きなさい、なんて、チャオガーデンの中にそんな事言う人はいないのに・・・
「サクラ・・・お願い、起きて・・・」
「・・・うーん・・・わかったよ・・・」
ポヨをグルグルにして、不機嫌丸出しやっと起きたピンクのチャオ。この物語の主人公の一人である、サクラである。
「・・・?」
ポヨはグルグルではなくハテナに変わっていた。それもそのはず、目を開けたはずなのに周りが真っ暗なのである。
「え・・・?何コレ・・・?」
「・・・目を覚ましましたか、サクラ・・・」
「だ、誰・・・?どこにいるの・・・?」
何しろ真っ暗で周りが見えない。しかもサクラはその『声』に聞き覚えがなかった。・・・混乱してきた。
「ちょ、ちょっと・・・脅かすつもりなのかなんだか知らないけど、早く出てきなさいよ!!」
ちょっと怖くなって、ヒステリック気味に言ってしまった。
「・・・私は、ここにはいません。私は、とらわれの身・・・。私は、あなたと会話する事も、実は許されない事なのです。牢屋の中で、隠れてあなたにテレパシーを使って話すのが精一杯なのです」
「・・・はあ・・・」
言ってることの意味がわからない!!ので、サクラは肯定とも疑問とも取れる返事をした。
「・・・テレパシーを使うのにはパワーがいるのです。だからあなたと話せるのも短い時間だけ・・・。意味が分からないところも多少、あると思いますが、覚えておくだけでいいのです、理解しなくてもいいので聞いてください」
多少、じゃなくて多々あるわ、といいたかったが疲れていそうなのでやめた。
「あなたは5人の女戦士のリーダー。あなたのまわりに頼れる仲間が4人いるでしょう?その4人をひきつれて、私を助けて下さい。あなたたちの運命なのです。それが。いいですか、これは世界がかかっているのです。私が死ねば世界も終わる・・・。私と世界を救うのです!!」
「・・・は・・・」
さっきよりあいまいな返事になってしまった。世界を救う?・・・私が?
「・・・もうダメです。体力が・・・限界です。目が覚めたら、あなたの・・・周りの・・・仲間に・・・知らせ・て・・・」
そう言いながら声は聞こえなくなっていく。目の前もだんだん白くなっていって・・・
・・・
「・・・?」
周りは、いつものチャオガーデンだった。