「ユーロ」
「ユーロ」
青い空、白い雲、ここは地図には無い町。
そこに1匹の変わったチャオがいた。
そのチャオは、いつも空を見ていた。
(この広い空の向こうには何があるのだろう・・・)
彼の名はユーロ、
彼は何時、どんなときも空を見ては向こうの世界に行きたがっていた。
そんな彼に1つの嬉しい情報が流れた。
なんと、向こうの世界の漁船がこちらにやって来るのだという。
(ラッキーW)
漁船がやって来るのは珍しいことで何年に1度しかないという。
彼は早速、親父に頼み乗船を許可してもらうつもりだった。
しかし・・・
「なんじゃと?漁船にのりたい?」
「ああ、俺様はあっちの世界が見たいんだ、だから・・」
「悪い冗談は控えろ。あっちの世界は危険じゃぞ?」
「冗談じゃねえYO!」
「諦めろ。お前じゃ無理無理」
一方的に拒否されてしまった。
そこで彼は・・
(夜逃げしてやるYo)
夜逃げを企んだが外にいたのは棍棒を持ち構えている親父だった。
親父の存在を察したのか、
彼はいったん引き返し別の作戦を考えた。
夜も寝ずに・・
~翌朝~
「ふあぁぁぁ、寝むっ」
一晩中眠らずにやって眠くないのも珍しい。
(だけど取って置きの作戦を思いついたぜ)
彼は早速準備に取り掛かった。
(よし、準備完了)
漁船が来るその夜、行動に移した。
彼の考えた作戦は彼独特の考えであった。
まず、裏の林で花火を打ち上げる。
その後親父が動揺しているうちに、
屋根から屋根に飛び乗って港に着くという作戦である。
まぁ、夜中に屋根を飛び乗られたら住民はたまったもんじゃない。
彼はそんなことを気にせず作戦を開始した。
ヒュウウゥゥゥゥゥ・・ドーーーーン
花火が打ち上がる。
「なんじゃ!?」
(今がチャンス!)
そういうと屋根から屋根へ飛び乗ってうまく逃げた。
どうやら見つからないで港まで着いた。
ボオォォォォォ・・・
(漁船だ。)
漁船の人に頼み明日の朝9時に出発するという。
待機時間が短いようなきもするがきにせずに(何
彼はそのまま、漁船の中で眠った。
~翌朝~
彼が起きて目にしたのは自分の家のベットだった。
(あ、あれ!?)
「起きたか?」
親父が横に立っていた。どうやら親父も港に行き彼をみつけたらしい。
「どうして逃げ出そうとした?」
「親父なら分かるだろ」
「・・・」
沈黙が続いた。
5分たっただろうか・・
親父が口を開いた。
「行け。」
「ん?」
「早く行け、船の出港時間に間に合わんぞ」
「親父?」
「・・・・・」
彼はとりあえず荷物を纏め出ていった。
そのまま、船に乗り出港時間が来た。
ボオォォォ・・・
船の外を見ると、家の窓で彼を見ている親父がいた。
(親父・・・)
彼は大きく手を振った。
自分の家と親父に向かって。
今も何故彼を行かせたのかは分からない。
しかし、親父の気持ちは大切にとっておこうと思う彼であった。
完