ドロボーチャオ

チャオはドロボーチャオ。
すばやくみんなの木の実をかすめとることにかけては天才チャオ!!



ある日のチャオガーデン。
ここには、みんなからドロボーチャオと呼ばれる一匹のチャオがいました。
もちろんほんとはちゃんとしたかわいい名前がついているんですけどね。
さてこのチャオ、その呼び名から解るように、
ソニックたちがあげようとする木の実の数々を、目の前でササササッと取って逃げてしまう困ったチャオです。
このチャオの野望は、全種類の木の実を食べることです。

さて、今日もソニックがガーデンにやってきました。
今日は一直線にお出かけマシーンへと向かいます。
ソニックがなにやらマシーンを操作すると、中から赤くて四角い木の実らしきものが出てきました。
ドロボーチャオは食べたことのないものです。
もちろんほしくなりました。なんてったって、チャオの野望を果たすためです。
じつはこれは木の実じゃなくて、プチガーデンのフルーツなのですが、ドロボーチャオは知らなかったのです。
食えるもんは食う! これが彼の信念です。
さて、いっつもいっつもドロボーばかりしている彼には、ソニックは見向きもしません。
だからおなかのすいたドロボーチャオはドロボーをします。
それだけ盗んで食べているのならと、ソニックは木の実をあげません。
いつもこうです。この日もこうです。
ソニックはフルーツを持って、ガーデンの真ん中らへんにいた青いチャオのほうに行きます。
そのチャオにあげるつもりなのでしょう。ソニックに気づいた青いチャオはニコニコ笑顔。
ドロボーチャオはこっそりとあとをつけていきます。
このままでは青いチャオに木の実がわたってしまいます。
それはなんとしても阻止せねば。

さて、青いチャオにフル−ツがわたらないようにするにはどうすればいいのか?
ソニックの注意をそらせばいいのです。
そこでドロボーチャオはガーデンをぐるりと回ると、崖の上へ飛んでいきました。
崖の上では赤ちゃんチャオが寝ています。
まだ歩くこともできないような赤ん坊です。
ドロボーチャオは、赤ちゃんチャオをポーンとけりました。
ヒューン&ポチャン!
泣く間もなく、池に落ちました。
赤ちゃんチャオは泳げません。
アッポアッポとおぼれてしまいます。
ソニックこの音に気づく、そして助けに行きます。
この点、さすが世界の英雄。人助け、いや、チャオ助けなんて日常茶飯事なのでしょう。
すばやく池に駆け込むと、フルーツをいったんおいといて、
拾う!ジャンプ!陸におく! とテンポよくチャオを救出。
その間に、ドロボーチャオは池に飛び込み、木の実を取ろうとしたのですが、ダメでした。
池に置かれたフルーツに、チャオは手が出ません。
池に入った泳げるチャオは水遊びをしなければならない。これ、チャオの掟。
あーたのし
きもちえーなー
気がつけば、ドロボーチャオも水遊び。
ドロボーチャオが我に返ったのは、ソニックが青いチャオにフルーツをあげようとしている、まさにそのとき。

!?!?!?なーーーーーーーにーーーーー!?!?!?
食べられちゃう!
とてもじゃないけどあそこ遠いよ?走っていくなんて無理無理、そんなはやくないもん
それじゃああの木の実たべられるよ。どうにかしたいけどどうにもできないー
!!!!!!ガーーーーーーーーーーーーン!!!!!!
それではあの木の実、もう二度と食べられないかもしれないじゃない!
ソニックやめてー、チャオに木の実をー!

クスンクスン
ガーデンの隅っこで、さっきの赤ちゃんチャオが泣いていました。
きっとキックの痛みを思い出したのでしょう。
ソニックこの音に気づく、そして助けに行きます。
この点、さすが世界の英雄。チャオをあやすなんてお手の物なのでしょう。
すばやくスティックを逆方向にたおし、木の実を投げ捨て、赤ちゃんチャオをなでまくる。
!?!?!?なーーーーーーーにーーーーー!?!?!?
あそこに木の実がっ!
チャンスっ!考えるより先に体が動いていました。
「フルーツがないっ!」戻ってきたソニックがフルーツを探している今のうちに、
すばやく食べる食べる食べる食べるちゃあ~

ドロボーチャオはお出かけマシーンの裏にいました。
フルーツはもう消えてます。
でも・・・・・・
あんまり急いで食べたので、肝心のフルーツの味は、よくわかりませんでしたとさん。

この作品について
タイトル
ドロボーチャオ
作者
チャピル
初回掲載
週刊チャオ第175号