~ダークガーデンのヒミツ~ 1
すみません、今週はこれだけしか載せられないです・・・
来週から本編の方を再開していきたいと思います。
ここはダークガーデン。
の、地下。
事は十数分前に遡ります。
エマ「ねぇ、たんけんしようよ!」
じっとダークガーデンにある穴を覗き込んでいたエマは、突然そんな提案を出し
ました。
穴、というのも大した大きさのものではありません。
ダークガーデンには、ナックルズやルージュが掘った後、何故か塞がらず残って
しまった穴が一つあったのです。
何だか悪だくみでもしていそうな笑顔を向けているエマに向かって、
ロイド「探検?んなの知らん、俺は行かないぞ」
そう言い放ったのは、エマのかなり年長にあたるロイドです。
エマ「えぇぇ~、やだよロイドもいくの~」
ロイド「俺は行かないって言ってるだろ」
エマ「い~や~~~~」
ロイドは今、寝たかったのです。
さっきまでずっとエマと遊んであげていた為、疲れてしまった身体を休めたいと
思うのは当然の事。
しかし、エマの方はまだ全然遊び足りなさそうに駄々をこねています。
エマ「ね~いこうよぉ~」
ロイド「断る」
どうやらロイドに譲る気はないようです。
彼には、年齢に見合わず子供っぽいところがありました。
そして、エマの我が儘を聞いてあげないこともしばしばあるようです。
ダークガーデンが平和を保っているのは、二人に近づいてきた彼がいるからでし
ょうか。
メッカ「何?お前らまた喧嘩してんの??」
ロイドより少し年下のダークチャオ。
エマにとって彼は面倒見のいい兄貴分なのです。あるいはロイドにとっても事実
上そうなっているのかもしれません。
本人達にその自覚は全くありませんが。
エマ「たんけんぅ~」
メッカ「探検?どこを?」
エマ「あっち!」
エマは、穴の方を指差しました。
ん?とメッカはエマの指す所へ目を向け、ああ、と一つ頷きました。
メッカ「あの穴のこと?」
エマ「うん、そう!ねぇ、はやくいこうよー」
エマはメッカの手をとり、いきなり走り出しました。
メッカ「うゎっと!・・・なぁ、お前も来るよな?」
進行方向と反対を向き、メッカは言いました。
勿論、問いかけた相手は、ロイド。
満面の笑みを浮かべて、彼からの返事を待っています。
しかし、ロイドは不機嫌そうな顔でそっぽを向いてしまいました。
メッカ「・・・おーい、来ないのか?」
ロイド「行くわけないだろ」
メッカ「・・・・・・我が儘」
最後のメッカの呟きは、しかし確実にロイドに聞こえてしまいました。
ロイドはむっと口の端をつり下げて言い返します。
ロイド「誰が我が儘だって?」
素直に感情が表に出てしまうところは、一番年上と思わせない子供っぽさがあり
ます。
ですが、それはいつもの事で、メッカもいつもの反応を示しました。
メッカ「あーそう。暗闇が怖いのか?」
ロイド「違う!ただ行く気がしないだけだ」
メッカ「ふーん…」
別にロイドは暗所恐怖症というわけではありません。それはメッカも知っている
ことです。
ただ単に、メッカはロイドについて来させようとしただけなのでした。
勿論、あんな事を言われてしまえば、ロイドは一緒に行かざるを得なくなります
。
いかにも渋々、といった様子でロイドはメッカとエマの方に歩いて来ました。
エマ「れぇっつごー!」
エマの高らかな叫び声で、三人は穴の中に入っていきました。
ロイド「おい、何だよここは」
メッカ「こりゃあ…いくらなんでも・・・」
二人「「広すぎだろ!」」
何故そうなったのかは分かりません。
しかし、穴の中はナックルズやルージュが掘った時に出来たとは思えないだだっ
広い空間が広がっていたのです。
光が差すのは三人が通った穴からだけ。
辺りを見回しても、暗闇があるのみでした。
空気はひんやりとしていて、遠くからは『ぴちゃん・・・』と水の滴る音が聞こ
えます。
ヒーローガーデンにいたならば怖くて逃げ出したかもしれません。
しかし、今ここにいる彼らはダークガーデンに住んでいいます。
ここは、彼らの好奇心を満たすには絶好の場所でした。
メッカ「一体どうやったらこんなにでかい洞穴ができるんだ?」
メッカにとっては探究心をくすぐられる、
エマ「わぁぁ、すっごぉい」
エマにとっては新たな遊びが見つかりそうな、
ロイド「ふぅん・・・なかなか広そうだな」
ロイドにとっては幼きに戻れそうな場所。
三人はそれぞれ好奇心の告げるままに行動を始めました。
エマは上から落ちてくる水をすくったり、あちこちにある柱を飛び移ったりして
遊んでいます。
暗い所なんてへっちゃら。彼女はどんどん奥へと進んでいきます。