著作権

「ねぇねぇ。聞きたいチャオ」
「なに?」
「どうして、ハリケーンには人の名前を付けるチャオ?」
「日本じゃ台風を1号2号、って数えるだろ。ハリケーンは、アルファベット順に名前がつけられるんだ。それも、男女の名前が交互にね」
「ふーん」
「例えば、その年の一番最初のハリケーンには、Aから始まる名前がつけられる。二番目のハリケーンのはBから始まる名前、という具合にね。最近で言うと、ハリケーン『アイク』はIから始まる名前だから、今年に入って9番目のハリケーンということになるね」
「そうだったチャオか」
「そうだったんだよ」
「じゃあ、チャオにも名前をつけて欲しいチャオ!」
「お前にはちゃんと名前があるだろう」
「今の名前は嫌チャオ! もっと格好いい名前がいいチャオー!」
「しょうがないなぁ。どんなのがいいの?」
「ハリケーンみたいに、外国人っぽい名前がいいチャオ! アルファベット順に、どんどん思いついた名前を言っていくチャオ!」
「じゃあまずはAから始まる名前だね。〇〇〇っていうのは?」
「ダメダメチャオ! 全然格好よくないチャオ!」
「じゃあ次はBから始まる名前。〇〇〇は?」
「却下チャオ! 次チャオ!」
「じゃあ……」





「次は、Mから始まる名前。〇〇〇。どう?」
「……きたチャオ! これチャオ! この名前チャオ!」
「この名前はね——世界で一番有名なキャラクターと同じ名前なんだよ」
「ますます気に入ったチャオ! この名前にあやかって、チャオも大物になるチャオ! 今日からチャオは〇〇〇チャオ!」

 数日後、〇〇〇は僕の前から姿を消した。



 数日後、〇〇〇は帰ってきた。

「た、ただいまチャオ……」
「お帰り、〇〇〇」
「そ、その名前はもうやめるチャオ! 前の名前に戻すチャオ!」
「そう?」
「ネズミ怖い……ネズミ怖い……」


 ハハッ!

この作品について
タイトル
著作権
作者
宏(hiro改,ヒロアキ)
初回掲載
週刊チャオ第338号