チャオのショートショート ~チャオ幼稚園に就職しよう~
注:SA2Bの幼稚園での話なので、DXやSA1な方々には謝っておきます。
チャオ幼稚園に就職しよう
─面接はPM2:00からです─
こんな文章にだまされてはいけない、彼の本能はそう吠えます。
なんせ、相手はあのつわもの揃いの、チャオ幼稚園です。
謎のチャオ学者に、怪しい名医に、何の根拠もなしに勝手に命名する占い師に、密売業を営む闇の売人に、そして瞬きする銅像。
きっと、この文の意味は・・・まぁ、考えてもよく分からないのですけれど・・・
そして、彼の狙う役職は、ずばり、あのクラスの先生。
普段誰も居ないのに、いつのまにか園児達に芸を仕込んでいる、あのクラス。
今日こそ、謎を暴いてやる─
彼はチャオチャオタイムズの特派員。
そう、チャオのクラスに潜入し、こっそり内部を取材してしまおう、ということなのです。
あの、先生の居ない、謎のクラスを。
それなりに、自信はあります。
履歴書には、クラスに就職するために必要と思われる資格が、ずらっと並んでいます。
お絵かき一級、
ダンス公式振り付け師、
チャオ合唱コンクール銀賞、
ステーションスクエアチャオ音楽大学卒業、
チャオ処世術3段。
これで、落ちるはずありません。面接さえ、上手くいけば。
結局彼は素直に午後二時に幼稚園に着くように出かけました。
彼は、短い足で廊下を歩み、短い手でドアのノブに手をかけます。
大丈夫、俺なら、絶対に大丈夫。
それにしても、一体、クラスの教師チャオ達って、一体どこで何してるんだろうな。
確かに、ちゃんと生徒のチャオ達は誰かに直接教わっているようだけれど・・・
まるで、姿が見えないみたいだな・・・
「どうも、こんにちは」
「ハイ、こんにちは。そこに掛けてください」
園長に良く似た眼鏡をかけた面接官は、椅子に座った彼を、じぃ~っと睨みます。なんなんだ、こいつは。
「あ~、残念、帰って」
「え!!?だって、まだ、何も・・・」
にやりと笑って、面接官は言いました。
「ウチでは透明チャオしか雇えないね」
─Fin─