第三話 はしりだすひと
二人は、走る。
後ろも見ずに、走る。
二人ともハシリのスキルはあまり高くないはずだが、それでも走る。
「あらおはよう」と近所のおばさんが挨拶してきても、走る。
「そんなこと書くからライブラリーのタグに【ギャグ】なんて付けられるんですよ」
「俺に言うな&今言うな」
そうこうしている間にバス停が見えてきました。
チャリンが、ある重大なことに気づいたように、ビクッと体を震わせる。
「ど、どうしたんだチャリン・・・」
「た、大変なことに気づいてしまいました・・・」
「バスに乗るリングほか入場料エトセトラのリングがありません!!」
「な、なんだってえええええええ!!」
ざわざわ ざわざわ
かんかんかん!
「静粛に!静粛n(ry」
「で、どうするよ?」
「走って・・・持ってきます!でも、バスが行ってしまいます!どうしましょう!」
「そのことは俺がどうにかしとくから、早く戻れ!」
「今までチャスケが「どうにかする」でどうにかなった試しがありません!」
「俺を信じろおおおおお!!」
「何回も聞きましたあああああ!!」
叫ぶチャリン。
しかし、チャスケの顔を見る。
自信に満ち溢れた、何かを企んでいる表情だ。
「・・・今回だけは信じましょう・・・」
「さんきゅう。」
チャリンは、家の方向に走り出した。