番外編「チャオガーデンのその後」

ミナンは、封印後、たまっていた仕事を片付けていた。
ミナン「封印が解けて嬉しいけれど…こんなに仕事がたまってるわ!
忙しいからゆっくりも出来ない…。」
すると、カスチャオが来て言った。
カスチャオ「ミナンさん、大丈夫?手伝いましょうか?」
ミナン「何か仕事はあったかしら?えーっと…。あ!この大切な書類をガイズに届けてくれない?やらなきゃとは思ってたんだけれど、ガイズのガーデンは遠いから…。」
カスチャオ「あ、それ、やります!」
ミナン「とっても大切だから、ちゃんと届けてね!」
カスチャオ「大丈夫です!絶対、無事に届けますから!いってきまぁす♪」
こうして、カスチャオの小さな冒険は始まったのだった…。

カスチャオは、ミナンから預かった書類を小脇に抱え、森を歩いていた。
カスチャオ「ガイズさんとは久しぶりだし、会うのが楽しみ♪」
そう言うと、カスチャオはスキップをし始めた。
その様子を、あるチャオ達がこっそりと見ていたことを、このときのカスチャオは全く知らなかったのだった。
チャオ壱「ずいぶん能天気なやつだな。おい、あんなのがエレメンタルをもっているのか?」
チャオ弍「あぁ、間違いない。自然のエレメンタルだ。だが、相手は女だ。すぐに倒せるだろう。」
チャオ参「うわぁ、たっのしみぃ!自然のエレメンタルなんて、はじめてじゃねぇ?たっぷりいたぶってやろうぜ…。」

カスチャオが森の外れまで来ると、不意に草が揺れた。
カスチャオ「他のチャオだ…。それも一人じゃない、三人いる!!誰?!」
チャオ弍「あぁ、やっぱりばれたか。やはり自然のエレメンタルを持ってるだけのことはある。」
チャオ参「やっと戦えるのか?やったー!!」
チャオ壱「おい、エレメンタルの独り占めはよくないぜ。」
カスチャオ「あんたたち、誰なの?!」
チャオ壱「あ?オレたちはエレメンタル狩りだよ。」
チャオ参「お前の自然のエレメンタル、おれたちが頂くぞ!」
チャオ弍「よし、まずは俺からだ。いけ!水流波!!」
カスチャオは、弐の攻撃を辛うじて避けた。
カスチャオ「きゃっ!エレメンタル狩り?…じゃ、あんた達、あたしのエレメンタルを狩りに来た事、後悔させてやるわ!」
カスチャオは、書類をぎゅっと抱き、言った。
カスチャオ「いけっ!風圧!!」
カスチャオが葉を投げると、弐は吹き飛び、木に背中を打ち付けて気絶した。
カスチャオ「なによ、大したこと無いじゃない。」
チャオ壱「じゃ、これはどうかな?炎舞!!」
壱が言うと、炎が舞い、カスチャオに襲い掛かってきた。
カスチャオは、書類をかばおうと横を向く。そして思いっきり壱の攻撃を食らってしまう。
カスチャオ「きゃっ!」
カスチャオは叫び、うずくまった。
チャオ壱「はっ、こんなものか。所詮…」
壱は言いながらカスチャオを見て、驚きのあまり口をつぐんだ。
カスチャオ「所詮…なによ?」
なんと、炎舞を食らったはずなのに、カスチャオは微笑みながら立ち上がったのだった。
チャオ壱「何故だ…炎舞はしっかりあたったはず…。」
カスチャオ「あんたの言うとおり、あたったわよ?確かに。でも…チャトウと散々戦いの訓練したんだから、慣れるに決まってんじゃない。しかも、チャトウの炎舞に比べたら、あんたなんか何でもないわ。」
カスチャオはそういい、葉を投げた。
「風圧!」
壱は、弐と同じように木にぶつかり、気絶した。
カスチャオ「最後はあんたね。あんたは何のエレメンタルを持ってるわけ?」
チャオ参「か、雷だけど…。」
カスチャオ「へぇ~、ふーん。じゃ、あんたの攻撃も屁でもないわね。チャールズと比べたら絶対月とすっぽん。天と地の差ね。」
チャオ参「こうなったらずらかるぞ!」
参は逃げ出したが、カスチャオは慌てず葉を投げた。
「行けー!!台風!!!」
カスチャオの技で、参までもが気絶してしまった。
カスチャオ「あんたたちにエレメンタルは勿体無いわ。貰っとくわね。」
そういい、カスチャオはエレメンタルを取った。
カスチャオ「あと…えいっ!」
カスチャオの掛け声と共に、木のつるが一気に編み上げられ丈夫な綱となり、チャオ達を縛った。
カスチャオ「二度と悪さができないように、ガイズさんに絞めてもらいましょうね~♪」
…カスチャオは、悪魔の微笑を浮かべていたのだった。

カスチャオはチャオ達を引きずり、ガイズのガーデンへ着いた。
カスチャオ「ガイズさーん!!」
ガイズ「おお、カスチャオどうしたんだ?」
カスチャオ「ミナンさんから頼まれた書類を持ってきました!」
ガイズ「あぁ、あの書類か。有難う。ところで…。」
カスチャオ「なんでしょう?」
ガイズ「そのチャオ達は、どうしたんだい?」
ガイズに聞かれ、カスチャオはここへ来るまでの戦いをガイズに話した。
ガイズ「そんなことがあったのか。ま、そいつらも、カスチャオのエレメンタルを狩ろうとしたのが運のツキだったな。」
カスチャオ「じゃ、このチャオたち、後で絞めちゃって下さい♪」

このページについて
掲載号
週刊チャオ第103号
ページ番号
3 / 6
この作品について
タイトル
チャオトーナメント
作者
ファング
初回掲載
週刊チャオ第103号
最終掲載
週刊チャオ第139号
連載期間
約8ヵ月24日