落し物
シャワーが好きなチャオなので
じょうろで水をやっている
立って上から
じゃあじゃあじゃあじゃあ
かけるのだ
雲にでもなった気分で
安らかに私はこの子を見つめている
きっとこの子は雨も好き
私も雨が好きだった
わざと傘を持たずに出かけて
彼の傘に入るのが
傘の中で思いきりくっ付いても
肩はいつも濡れてしまう
私の右肩
あの人の左肩
だけどそれが一番嬉しかったのだ
じょうろのシャワーが止まってしまうと
物足りないとねだられる
顔に残った水滴がこらえきれず
ゼリーのような丸い体を滑っていった
近くの水滴を巻き込んで
最後はただの水となり
ガーデンの土にしみるのだ
そうやってチャオは綺麗な水滴を落としていく
水滴を落とせない私は再びじょうろに水を溜める