東ノ空ヨリ授カリシ ~出所不明の文献より~

東の空より授かりし命と
 西の空で朽ち果てし老いた命と
南の空の下で一日を共にし
 南の空の下で別れを告げる
西の空で命を看取り
 東の空にて再び会わん事を

こうして朽ち果てぬ命と共に
変わらずに生を謳歌する
それは決して業深きものではなく
ただ友としての努めであるが故

いつかに混沌と呼ばれた存在は
いま一つ混沌に欠けるが故に
彼らは皆混沌ではなくなった
ただ友と過ごしたく生きるが故

混沌の残り香を漂わせる彼らは
今宵も夜空の下に集まり
東の空より授かりし命を迎え入れるべく
今日も今日とて生を謳歌する

このページについて
作者
冬木野(冬きゅん,カズ,ソニカズ)
掲載日
2011年4月3日
ページ番号
5 / 40
この作品について
タイトル
チャオの詩
初回掲載
2011年3月31日
最終掲載
2020年9月16日
連載期間
約9年5ヵ月20日