チャオ道列伝チャクロン無双拳

あいつが逃げたぞ~!
追え~!

うわ、ま、待て!やめろ~~~!


ここは、とあるチャオガーデン。
チャオレース場の入り口から、誰かが出てきました。
チャオ達は、津々興味、彼を取り囲みます。
何人かは、彼を知っていました。
「あ、チャクロンちゃお!」
「え、こいつがチャクロン?」

チャクロン。
何かの復讐に燃え、チャレンジレースで待ち受けているチャオ。
しかし、ナニが彼をそうさせるのか、誰にも分かりません。

「ね、ね。何が悲しくて逆襲するんちゃお?」
チャクロンに言い寄るチャオ達に、チャクロンはぶち切れます。
「俺の復讐は、チャオレースじゃ駄目ちゃお。チャオ空手で勝負ちゃお!」

「チャオ空手?」
チャクロンを取り囲むチャオ達のアレが、一斉にハテナマークになります。
だってここはDCガーデン。
「チャオ空手とはなぁ、」
「ふんふん」
一人のチャオが、身を乗り出して聞き入ります。
「チャオ道ちゃお!」ポッコ~ン!
なんと、チャクロンは回し蹴りをぶちかましました。
そのまま岩山に激突。
「あ~、チャキョウ君~。」
みんなが駆け寄る中、チャキョウ君のアレは、渦巻きのまま元に戻りません。
チャキョウ君は立ち上がると悲しげに首を振ります。
そのまま、マユに包まれてしまいました。後には、卵が一つ残されていました。

「よくもチャキョウを~。受けて立つちゃお、チャオ空手!」

チャケボノ対チャクロンの一戦が、始まりました。
チャクロンは、開始の合図の前に、ずかずかと歩み寄ります。

試合開始直後、チャケボノはぴったりくっついてきたチャクロンを、突き放そうとしました。
しかしチャクロンはなんと、チャケボノの後ろに回りこみました。そして、背後から強烈な一撃!!!!
チャケボノは、戦意喪失で、泣き出してしまいました。

「今度は、俺が相手ちゃお!」
ついに、ボブチャップが立ち上がりました。
チャクロンはまた、開始直前にずかずか歩み寄ります。
そして、開始直後に背後に回りこみます。
「甘いちゃお!」
しかし、それを読んでいたボブチャップは、後ろに飛びました。
そして、背後に回りこんだチャクロンの後頭部に、一撃ぶちかましました。

チャクロンは、立ち上がります。
「ふ、今の一撃で決められなかったのは、マズかったちゃおね。」
「ふん、負け惜しみちゃお!」
チャクロンは、地を這う衝撃波を放ちます。立ちガードするボブチャップ。
しかし、下段技だったため、立ちガードは不可でした。
のけぞるボブチャップ。体制制御不能なボブチャップを軽く小突くと、また地を這う衝撃波を放ちます。
のけぞるボブチャップ。以下繰り返し。

戦意喪失で泣き出すボブチャップ。しかし、チャクロンはやめようとはしません。
「ふ、このまま昇天しちまうちゃお~!」
「おやめなさいちゃお」
そんなチャクロンに、一羽の鷹が体当たり!チャクロンの動きが止まりました。
「だ、誰ちゃお?」

鷹は、高く舞い上がると、お散歩マシーンの方へ、舞い上がります。
「チャコルルちゃお!」
そう、お散歩から、ヒーローカオスのチャコルルが、帰ってきたのです。
ちなみにチャコルルの連れている鷹は、以前ソニックが連れてきた小動物でした。
でも、チャオにパワーをくれる鳥系小動物は、孔雀・オウム・コンドルの3種類。鷹は、関係有りません。
その為、チャコルルは、この鷹と仲良くなったのでした。

「チャクロン、あなたは間違っていますちゃお。」
「そゆことは、俺に勝ってから言うちゃお。」
ついに、チャコルル対チャクロンの試合が始まりました。
またまた、開始直後に背後に回りこむチャクロン。
しかし、すぐに振り向き、足払いを置いておくチャコルル。

「後ろから攻撃するのが、チャオ道ちゃお?」
すっころぶチャクロンに、チャコルルが言います。
「く、こなくそ~。」
今度は、地を這う衝撃波を放ちます。
チャコルルは、どこからともなく布を取り出し、それで弾き返します。
思わず自分の技を食らってしまい、派手にのけぞるチャクロン。

「小技でハメルのが、チャオ道ちゃお?」
「ぐ、…。」
自分の攻撃パターンを全て見切られた今、チャクロンに戦う気力は、もう無かった。

そんなチャクロンに、言いました。
「道とは、極めるべき分野。チャオ道とは、チャオのあるべき姿ちゃお。」

「!…。う、うるさ~い!」
チャクロンは、やけくそに突っ込んできます。
チャコルルは、後方上空の鷹につかまり、回避し、そこから最終奥義を発動させます。
「エレルシカムイリッセ!(輝く神の輪舞)」

チャクロンは、立てません。
「チャオガーデンのお仕置きちゃお。」


チャクロンは、みんなにあやまると、チャオレース場に戻って行きました。

この作品について
タイトル
思いつき企画  チャオ道列伝チャクロン無双拳
作者
あさぼらけ
初回掲載
週刊チャオ第100号