最終話『全ての願いよ、永遠に。』
ギャリック砲の砲身から、サウリアは消え去った。
しかし、すでに大気圏に突入しかけたチャーク。
このまま、地球の引力によってチャークは地上に激突します。
「く、これ以上いかせないちゃお~!」
もはやリングも使い切り、ハイパー化の切れるのも時間の問題。
二人は右腕を掲げ、最後のカオスコントロールの体勢にはいります。
チャークをカオスコントロールの射程範囲内に捉えます。
「今ちゃお、カオス!コントロール!!」
二人は、カオスコントロールを発動させます。チャークも、カオスコントロールの光りに包まれます。
しかし、二人のハイパー化は切れ掛かります。
『チャドー、お願い。みんなの願いを叶えてあげて…。』
チャドーの脳裏に、マリアの声が聞こえます。
「くう、チャドー、このままじゃあ!」
チャニックは、最後のカオスコントロールの失敗を感じます。
「チャニック、あきらめちゃ駄目ちゃお!」
チャドーは、チャニックの腕を握ります。
「チャドー?」
チャニックには、チャドーの行動の意味が分かりません。
突然、チャドーのパワーがチャニックに流れ込んできます。
「! チャドー!」
その意味を知ったチャニックが叫びます。
チャドーは微笑みながら、カオスコントロールの光りに消えていきます。
「チャドー!
く、カオスコントロール!!」
スペースコロニーチャークは、もと在った位置に戻ります。
「これでよかったんちゃお、マリア。」
さっきまでチャークのあった位置に、黒いカケチャがいます。
黒いカケチャの体は、徐々に地球の引力に引き寄せられていきます。
黒いカケチャが消え行く先で、七つの光点が輝きます。
七つの光点に包まれた黒いカケチャは、そこで懐かしいぬくもりを感じます。
「チャドー、なにがあっても、生きて帰るのよ。…。」
チャークの中央司令室の扉が開きます。
「チャドーは?」
司令室には、チャイルス、チャックルズ、チャミー、チャッグマン、ルーチャが待っていました。
一人で入ってきたチャニックを見て、ルーチャが聞きます。
チャニックは何も言わず、一つの腕輪をルーチャに渡します。
「これは、チャドーの?」
チャニックは首をふります。
「結局、何者だったんちゃおかしら、チャドーって。
チャラルドの創った復讐の道具だったちゃおかしら?」
地球への帰り支度も整った頃、ルーチャはチャニックに聞いてみます。
「さあちゃお。ヤツはヤツちゃお。命をかけてあの星を守ったカケチャオ、チャドーZaARaifuちゃお。」
「ふふ、そうちゃおね。綴り間違ってるちゃおけど。」
ルーチャが部屋から出て行った後、一人残ったチャニックは窓から外を見ます。
「チャドー。…」
そこへ、チャミーが入ってきます。
「チャニック、ここに居たちゃお。」
一瞬振り向いたチャニックは、また外を見ます。
「あれ、チャニック、泣いてるちゃお?」
そんなチャニックを見てチャミーは訊ねます。
「ふん、バカ言えちゃお。チャニックは泣き虫じゃないちゃお。」
そう言って振り返るチャニック。しかし、その瞳には光るモノがあった。
チャミーは、そのことにはふれません。
「さあ帰るちゃお。ガーデンのお友達に忘れられちゃう前に。」
歩き出すチャミーとチャニック。
司令室の扉が開きます。
チャニックはもう一度振り返り、窓の向こうに広がる青い星に話しかけます。
「アディオス。
チャドーTheALife。」