激闘編　交渉失敗

大統領のリムジンは、海上横断専用道路から、一般道に入ります。
「事件発生から、１５時間が経過した現在、我が国内の混乱は…、
　交通、金融、通信、政府公的機関及び各省庁と、ありとあらゆる所に及んでいます。
　国家存亡の危機ですね、閣下…。」
「君の意見は結構だ。」
リムジン内部にて、秘書の意見を聞いた大統領。
「で、そちらの要求を聞こうか？ドクターチャッグマン。」
大統領は、チャッグマンと通信中です。

「ちゃっちゃっちゃぁ。話しが早いちゃおね、大統領。
忙しい君の為に手短に話すちゃお。こちらの要求は単純明快ちゃお。
無駄な抵抗はやめて、我がチャッグマン帝国にしたがうちゃお。さもなくば…。」
「さもなくば？」
チャッグマンの言葉に、大統領が聞き返します。
「貴様等の国が、消えてなくなるまでちゃお。返事は２４時間以内ちゃお！」
「ねえ、乗せてちゃお～！」
「んな？」
大統領は驚きます。
なんと、走ってるリムジンの横を走る一人のチャオがいます！！
そのチャオ、チャニックはにやりと笑うと、リムジンのサンルーフから中に入ってきました。

「貴様はチャニック！」
通信中のチャッグマンは、意外な来訪者に驚きます。
「は！何がチャッグマン帝国ちゃお！」
「な、なんなんだ君達は？」
チャッグマンと知り合いらしきチャニックと言うチャオ。
そして、いつの間にか通信機をいじくってるもう一人のチャオ。
大統領は、この三人の関係を図りかねます。

「なんだかんだと聞かれたら、答えてあげるが世の情けちゃお。
　ヤツのことは、俺らにまかせておくちゃお！」
その一言ですませるチャニック。
「どうちゃお？チャイルス。」
チャイルスは、通信機からディスクを取り出します。
「探知成功ちゃお。場所はアークって言うスペースコロニーちゃお。」
「よ～し、もうここには用は無いちゃお。ばっくれるちゃお。」
チャニックは、入ってきたサンルーフから出て行きます。
「待ってちゃお、チャニック。」
チャイルスも後に続きます。
「こ、こら！待たんか！」
当然ずかずかと侵入した二人のチャオを呼び止める大統領。
しかし、多忙なスケジュールな大統領にそんな時間的余裕はなかったのです。
「大統領、エージェントからの定期連絡の時間です。」



スペースコロニーチャークの中央制御室。
チャドーとチャッグマンがたむろってます。チャッグマンはなんだかご機嫌斜めですが。
「なあーにカリカリしてんちゃお？」
その言葉のチャッグマンは振り向きます。ルーチャでした。

「地上の様子を調べてみたんちゃおけど、そりゃあもお、大騒ぎちゃお。
　これで世界征服完了ってワケちゃお？」
その言葉に、今まで黙りこくってたチャドーが答えます。
「今のままでは、ギャリック砲の充填に時間がかかりすぎるちゃお。
　実用兵器としての性能を期待するなら、７個のカオス系チャオのアレは絶対必要ちゃお。」
「今までどこをほっつき歩いておったちゃお！」
カオス系チャオのアレと聞いて、今までおさえていた感情がこらえきれなくなって叫ぶチャッグマン。
「なんかあったちゃお？」
ルーチャは横にいるチャドーに聞いてみます。
「政府との交渉が失敗したんちゃお。」
その答えにルーチャはちょっちあきれます。
「はぁ、やだやだちゃお～。中年チャオのヒステリーなんて、最悪ちゃお～。」
その言葉にチャッグマンも、黙ってはいられません。
「貴様、自分の役目を忘れた訳ではあるまいちゃおな？
　カオス系チャオのアレの情報は、どないしたんちゃお！！」
「は～い、見つけてきましたちゃおー。」
ルーチャは一枚の新聞をぺらぺらと見せびらかします。
「何故それを早く言わんちゃお！」
チャッグマンは、その新聞を読み上げます。

「チャオガーデン新聞の号外ちゃおか。何々…。
　ヒーローレースを制覇したチャニック君に、ダークカオス君が自分のチャオのアレを貸してあげました。
　ドクターチャッグマンの野望を阻止する為に必要とのこと。
　しかしチャニック君は、パワーアップの為、監獄島の無人警備隊を大量破壊。人間達に追われるはめに。
　しかし、僕達はチャニック君を信じている。がんばれ僕達の英雄、チャニックＴｈｅＡＬｉｆｅ！
　なんじゃこりゃちゃお？」
その内容に、チャッグマンは考え込みます。
ワシの野望を阻止する為に、ヤツもカオス系チャオのアレを手に入れたちゃお？

「そうか、読めたちゃお。ヤツ等もギャリック砲の秘密をかぎつけたちゃお。
　おそらく、地上のワシの秘密基地から、宇宙へ出ようとするちゃお。よ～し、迎え撃つちゃお！」
チャッグマンは、中央制御室から出て行きました。

「だってちゃおさ。」
ルーチャは、横のチャドーに言います。
「いよいよちゃお、マリア。」
チャドーも出て行きます。
マリア？
その言葉に疑問を感じつつもルーチャは、携帯電話を取り出しました。
「ルーチャより定期連絡。
　現時点ではまだ、こちらのチャドーが本物の究極生命体であるかどうかは、判断しかめますちゃお。
　プロジェクト『チャドー』についての調査は、現状のまま継続ちゃお。
　…成功報酬のジュエル、お忘れなくちゃお。」