あるダークチャオの心

ここは森の中だ・・。
いろいろなチャオが話している。
その中に、あるダークチャオを見つけた。
周りには、チャオがたくさんいる。
・・・・話をしているのかな?
ちょっと聞いてみようか・・・・。

ダークチャオは言い出した。

俺が最初に見たものは・・・。壁だった。
あの時はわからなかったが、今ではわかる。
・・・・投げられたのだ。
チャオには、最初に見たものを親とする能力が無いので、そこら辺は助かったが、精神的ダメージは大きかった。

俺は・・・青い奴に育てられた。
ただ、それも少しだった。すぐさま他のやつが来て、そいつをあの青い奴は育てていった。
・・・・ほんの少し育てられただけなので、名前は無い。
食べ物は、辛うじて落ちた黄色いもので暮らしていけた。
そうして俺は育っていった。

オレが、変な繭(そのときは繭と言うことは知らなかった)と言うものに入ったら、・・・・・いきなり暗い場所に移された。そこの水は赤かった。
他の奴らが泳いでいる。俺は完全に見捨てられたと思った。
しかしある時、黒っぽい色をした(実は自分が黒いのも知らずに)あの奴に似た奴が入ってきた。
・・・・そいつは俺を可愛がってくれた。。たしか・・・アイツより少し目つきは悪そう(実は自分も目つきが悪い)だった。
でも目つきじゃない。・・・その・・なんていうのかな?・・・愛情・・か?・・・ええい、どうでもいい!・・・とにかくそんなものだった。

しかし、いきなり黒い奴はいなくなった。
と言うより来なくなった。
他の仲間の話によると、「宇宙と言うとこで行方不明らしいよ。」と言うことだった。
また俺は孤独になった。黄色い奴は少しはかまってくれたが、黒い奴ほどではなかった。
・・・でも今度は名前がある。しかし、何故だかそれでは呼ばれなかった。どうやら俺とあの黒い奴だけで通ってたようだ。

そして、俺はあの青い奴に変な白い箱(実は機械)のとこへ持ってかれた。必死の抵抗も無駄だった。
そして、その白い箱の中に入れられた。
で、気付いた時はここにいたんだ。
俺は、奴の下を離れられて嬉しいのか、二度と仲間に会えなくて悲しいのか、分からなかったよ。

そうダークチャオは言うと、・・・・静かな眠りについた。
それも永遠の眠り・・・・。
やはり、仲間は泣いた。灰色の繭に抱きついてないた・・。
でも無駄だった。もうあいつが息を吹き返すことは無かった。

でも次の日・・・。
ある仲のいいチャオの中で、卵が産まれた。
その卵からでてきたチャオは・・・・・・。
何とあのチャオに似ていたのだった・・・。

終わり

この作品について
タイトル
あるダークチャオの心
作者
リノ(チャル,チャチャ,冬楼閑)
初回掲載
週刊チャオ第74号