あるチャオの日記

ご主人様に飼われはじめて今日で半年。

毎日木の実をもらって、一緒に遊んでくれて。

ガーデンや幼稚園には友達も沢山いる。

僕は優しいご主人様に出会えて毎日がとっても楽しい。

・・・でもいまだにわからないことがある。

今この日記を書いている僕の手は、ペンギンのパーツが付いている。

頭にはウサギの耳が付いていて、足にはドラゴンのパーツが。

お尻にはトラの尻尾が生えていて、背中にはオウムの羽が生えている。

そして、眉にはゴリラのパーツが・・・。

・・・ご主人様の趣味がわからない。

鏡を見ると・・・なんだか動物同士の合成に失敗した出来損ないの怪獣みたいだ。

そして、ご主人様は何故か一ヶ月ごとに動物パーツを総入れ替えする。

ちなみに前回の僕の姿は、ユニコーンの手足に孔雀の尻尾に・・・他にも色々あってよく覚えていない。

ご主人様は僕に動物をキャプチャーさせ終えると、二ヶ月以上かけて作ってきた大阪城のプラモデルの最後のパーツをはめた時のような顔で

「やったぁ!」と両手を天高く突き上げて喜んでくれる。

もう六回同じことをしているけど、その時のご主人様の顔はむしろ見ているこっちのほうが気持ちいいぐらいの雲ひとつない快晴降雨率0パーセント。

ご主人様のそのセンスは、一体どこから来ているんだろう。

……ま、いいや。

深く考えるのはよそう。

考えてもわかんないや。

ご主人様のセンスはご主人様のもの、うんそれでいいや。

そろそろ寝よう、おやすみなさい……。


(追記)
耳が邪魔で寝にくいな……。

この作品について
タイトル
あるチャオの日記
作者
宏(hiro改,ヒロアキ)
初回掲載
週刊チャオ第86号