第1話「始まりはドロボウから」
ここはとある夜の街。普段は電灯などで明るく静かな空間となるのだが、
今夜は違う。
なぜなら、彼のターゲットになってしまったのだから。
ANOTHER(アナザー)「始まりはドロボウから」
ここは町の大金庫。
本来は静かであるはずなのだが、いまここには一匹のチャオが忍び込んでいた。
「よし。ここまでくればあとは門を開けるのみ…」
このあやしいチャオの名は、ツキヤ。現在小さい(人間にして高校生ぐらい)ながらもチャオワールドをにぎわせている大泥棒である。
そんな彼がここに来たのはモチロン、ドロボウするためである。
「えーと、門のパスワードは、「卵はネズミに弱い」っと。」
ピピピピ・・・ガシャン!!
彼がパスワードを打つと、門は電子音を出し、そして門が開いた。
「作戦成功!!いよいよ、ターゲットのお出ましだ。」
そして、かれの「獲物」が現れた。
それは、とてもきれいな、透きとおった蚊取り線香見たいな形をした宝石が現れた。
「これが、値段1億リングの『DCクリスタル』か。さすがにきれいだな。よし、後は僕が盗んだ証拠としてカードを置いて逃げるのみだ。」
ツキヤはかなりうれしそうだ。
そのとき、ツキヤは金庫内の別の物に気がついた。
「なんだ?この厳重に守られている箱は?」
その箱は、さまざまなカギがかけられており、明らかに大切な物だと思わせる。
「なんだろう、よし、ついでにこれもイタダクか。」
そして、ツキヤは手馴れた手つきで、次々とカギを解除した。
「最後のカギ、解除。」
そして、彼はやっと箱を手にする事が出来たのである。
こうして、彼はなぞの物も手に入れることが出来た。
「さて、今度こそトンズラだ。」
こうして、ツキヤはぶじに逃げる事が出来た。
そして・・・次の日の朝。彼は自宅にいた。一人で暮らしている。
ちなみに、親は事故で灰色の繭に包まれ、今はいない。
DCクリスタルは隠し部屋に隠してある。
「さて、DCクリスタルは後で売るとして、まだ見てなかったな。この箱の中身。」
そう、先ほど彼が盗んだなぞの箱である。
「あんなに厳重に守ってあったんだから、きっとすごいお宝なんだろうな。」
そして、彼は箱を開けた。
これからあることが起こり、自らが運命に絡み取られる事も知らずに。
「よし、箱は空いたけど、なんだ?この古文書みたいな本。」
それは、とても表紙が厚く、とても白く古い本だった。
「なんか、高く売れなさそうだな。ま。読んでみるか。」
そして、彼はページを開く。
・・・・・・・・・・・・
この「神の竜書」をよんだものよ・・・
お前はこれより、「もう一つのチャオガーデン」の救世主となるだろう・・・
さあ、今すぐわが世界へくるのだ・・・
・・・・・・・・・・・・
「なんだこりゃ?」
ツキヤは頭のあの物体を?にして考える。
そして15秒後。
「ん?なんだ?この急に襲ってくる強烈な睡魔は?あれ?あれれ?なんだ?周りがぐるぐる回っている。な、なにが・・・」
ばたっ
ツキヤは眠って倒れた。
その直後、ドアが開き、チャオ(以下相手チャオ)が入ってきた。
「おい、ツキヤ。取引にきたぞ!!お~い!!あ。おい!!ツキヤ!?」
相手チャオはツキヤを見てすぐによりすがる。
「な、息をしてない!!な、何があったんだ?ツキヤ!!」
相手チャオは延々とツキヤをゆすっていた。
つづく