第23話

とりあえず全員は部屋の中に入り、食事に着いた。
敵に狙われているとも知らずに。

     ファンタジア・チャオ・ファイティング 第23話 闇夜の暗殺者

バリーン!!
窓ガラスが突然音を立てて砕け散った。
それと共に明かりの電気が消え、室内は真っ暗になった。
ナイトとサクラは慣れているのか、すぐに側にあった剣を取り戦闘体勢に入る。
他の2人はまだ上手く状況をつかめていないようだ。

「ヒツジ、チョコ、早く武器を取って!敵よ!」

サクラが声を上げる。
ヒツジたちが現状を把握し、自分たちの武器を取りにいく。
すぐそこに立てかけた槍を手に取り見えぬ敵相手に戦闘体勢に入る。

しかし敵が一瞬早くヒツジに攻撃する。
音も無くヒツジの体が傷つく。
鋭い剣か何かで切られたような傷が横に三本。敵の武器は爪か何かだろう。

「どうやら、相手はプロらしいな。」

今の攻撃ですべてを察したかのようにナイトがつぶやく。
そして剣の構えをかえる。剣を真下に向けて体制を低く取った。

「本物の殺し屋だ。気を抜くな本気で殺される。」

ナイトがそう叫びながら、右側に向かって走り出した。
壁まで走るとそこで止まり構えを元に戻した。
壁を背後に取り敵の攻撃方向をひとつなくしたのだ。

沈黙が流れる。
全員が全神経に集中する。暗闇で相手は音もさせずに動くプロ。
少しでも気を緩めたら間違いなくやられる状況なのだ。

「来ないのか?ならこっちからいくぞ・・・。」

ナイトが沈黙を破った。

・・・続く

このページについて
掲載号
週刊チャオ第127号
ページ番号
26 / 27
この作品について
タイトル
ファンタジア・チャオ・ファイティング
作者
りんご
初回掲載
週刊チャオ第86号
最終掲載
週刊チャオ第131号
連載期間
約10ヵ月12日