第二十話 砲弾と不発魔法
そして砂煙が晴れ、相手チームが見えてきた。
戦闘再開だ。
ファンタジア・チャオ・ファイティング 第二十話 砲弾と不発魔法
エントたちの姿が見える。
砂煙越しで少しぼやけているがはっきりとその姿が目に映る。
カメ 「ハーブ!一発だよ!」
カメが大砲を担ぎ、狙いを定めながら言う。
その銃口の指す方向はエントではなくなぜか上をむいていた。
エント「行くぞ!」
エントが仲間たちにいい、双剣を構えて突っ込んでくる。
その後ろにいた仲間たちもそれぞれ武器を構え向かってきた。
間合いが詰められる。
しかしハーブはその場に立ったままで、動かずに魔力を溜めている。
敵はもはや目の前だと言うのに―――
カメ 「行くよハーブ!」
カメが叫び大砲を空に向かって撃つ。
低く唸る様な音を立て大砲の玉は空に飛んでいった。
そして空で大きな音を立てて爆発した。
それと同時にハーブが魔法を放った。
ハーブ「フォールサンダー!!」
ハーブの手から魔法が放たれる。
エントたちの動きが一瞬止まる。
魔法を警戒し、よけれるよう身構えた。
しかし魔法が放たれたのに何も起こらない。
ただの威嚇(いかく)か、それとも不発だったのか。
分かるのは何も起こっていないということだけだ。
エントが不発と判断し再びハーブに向かってくる。
双剣を後ろにひき、いつでも斬り掛かれるよう身構えながら走る。
そして間合いがすぐに詰められた。
・・・続く